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2011年01月21日

損益分岐点の活用で経営が激変する:Q&A方式で解説

今日は、朴念仁です。


過去4回に亘り、損益分岐点から派生する様々なテーマでお話をしてきました。

1)損益計算書を変動損益計算書に書きなおす
2)変動損益計算書の構成
3)変動費・固定費・限界利益及び変動比率・限界利益率について
4)損益分岐点売上高の求め方
5)計画利益または必要利益を達成するために必要な売上高の求め方
6)変動費・固定費が増減した場合の損益分岐点売上高の求め方
7)売上が同じで変動費・固定費が増減した場合の利益の求め方

などですが、
もう一度次のバックナンバーを読み返していただけば、より理解が深まると思います。

損益分岐点売上高を算出しましょう−その1

損益分岐点売上高を算出(変動費と固定費)−その2

損益分岐点売上高を算出(必要売上高の求め方)−その3

期待される利益はどう求めるのか


今回は今までの復習と言う意味で、Q&A方式で進めて行きたいと思います。
これで、ほんとうに損益分岐点に関する問題はクリアーになりますよ!

それどころか、社長さんの経営が激変すると、朴念仁は信じています。


さて、それでは、朴念仁が質問を出させていただきますので
社長さんは、それぞれの質問に対する回答をお願いしますね。


質問:1 変動費とは何ですか?

答え
売上高や販売個数の増減に応じて、増減する費用のことで、
売上高が0円なら発生しない費用、つまり売上高がどんどん大きくなれば、
それにつれて大きくなる。

損益計算書の中では、製造原価の原材料費と外注費、商品仕入高がこれにあたる。


質問:2 固定費とは何ですか?

答え

売上高や販売個数の増減に関係なく、一定に発生する費用のことで、
損益計算書の中では、販売管理費の人件費と販売費と管理費、そして、
製造原価の労務費と製造経費がこれにあたる。


質問:3 限界利益はどのように求めますか?

答え

限界利益=売上高−変動費
(変動費は商品仕入高・原材料費・外注費)


質問:4 損益分岐点売上高とは何ですか?

答え

利益と損失(赤字)がちょうど分岐となる売上高のこと。
言いかえれば、利益が0円になる点が、損益分岐点売上高。


質問:5 変動比率の意味と求め方は?

答え

売上高が増えると(減ると)、変動費はどのくらいの割合で増えるか(減るか)
と言う、売上高に対する変動費の割合
のこと。

計算式は、
変動比率=変動費÷売上高


質問:6 限界利益率の意味と求め方は?

答え

売上高が増えると(減ると)、限界利益はどのくらいの割合で増えるか(減るか)
と言う、売上高に対する限界利益の割合
のこと。

計算式は、
限界利益率=1−変動比率


次からは、下のABC株式会社の変動損益計算書を利用しての質問となります。

soneki to hendousoneki.jpg

以下単位、千円で表示

質問:7 ABC株式会社の損益分岐点売上高は?

答え

損益分岐点売上高
=固定費÷(1−(変動費÷売上高))


=60,000÷(1−(36,000÷100,000))
=60,000÷(1−0.36)
=60,000÷0.64
=93,750


質問:8 変動比率と固定費が同じ場合、
ABC株式会社の現状利益4,000を、2倍の8,000にするために
必要な売上高は?

答え

必要売上高
=(固定費+必要利益)÷(1−(変動費÷売上高))


=(60,000+8,000)÷(1−(36,000÷100,000))
=68,000÷(1−0.36)
=68,000÷0.64
=106,250

変動比率と固定費が変化しなければ、4,000の利益を増加させるために
売上高を6,250増やせば良いことになる。


質問:9 原材料費の高騰で変動費が5%増加し、なおかつ、生産量を上げるために
パート社員の増員などで、固定費が5%増加した場合の損益分岐点売上高は?

答え

変動費増加額=36,000×5%=1,800
固定費増加額=60,000×5%=3,000

したがって、
新しい損益分岐点売上高
=(固定費+固定費増加額)÷(1−((変動費+変動費増加額)÷売上高))


=(60,000+3,000)÷
 (1−((36,000+1,800)÷100,000))

=63,000÷(1−(37,800÷100,000))
=63,000÷(1−0.378)
=63,000÷0.622
=101,286

現状より、1,286以上、売上を増やさないと赤字になる。


質問:10 仕入先交渉とロス率の改善による原材料費削減で、変動費を5%削減し、
生産の効率を高め、販売管理費や製造経費を削減し、あわせてパート社員の削減
などで、固定費が5%減少した場合の損益分岐点売上高は?

答え

変動費削減額=36,000×5%=1,800
固定費削減額=60,000×5%=3,000

したがって、
新しい損益分岐点売上高
=(固定費−固定費削減額)÷(1−((変動費−変動費削減額)÷売上高))


=(60,000−3,000)÷
 (1−((36,000−1,800)÷100,000))

=57,000÷(1−(34,200÷100,000))
=57,000÷(1−0.342)
=57,000÷0.658
=86,626

現状より損益分岐点が13,374低下し、経営安全率が向上した。


質問:11 上記と同条件で、つまり、変動費を5%削減し、固定費を5%削減し、
10,000の利益を獲得するために必要な売上高は?

答え

必要な利益額=10,000
変動費削減額=36,000×5%=1,800
固定費削減額=60,000×5%=3,000

したがって、
必要売上高
=(利益+固定費−固定費削減額)÷(1−((変動費−変動費削減額)÷売上高))


=(10,000+60,000−3,000)÷
 (1−((36,000−1,800)÷100,000))

=67,000÷(1−(34,200÷100,000))
=67,000÷(1−0.342)
=67,000÷0.658
=101,824

現状4,000の利益を6,000増額の10,000にするために、
売上を1,824増やせば良い。


質問:12 上記と同様に、変動費を5%削減し、固定費を5%削減するが、
100,000の売上高が同じ場合の期待される利益の額は?

答え

現状の売上高=100,000
変動費削減額=36,000×5%=1,800
固定費削減額=60,000×5%=3,000

したがって、
期待利益
=売上高×(1−((変動費−変動費削減額)÷売上高))−(固定費−固定費削減額)


=100,000×(1−((36,000−1,800)÷100,000))−
 (60,000−3,000)

=100,000×(1−(34,200÷100,000)−57,000
=100,000×(1−0.342)−57,000
=100,000×0.658−57,000
=65,800−57,000
=8,800

同じ売上高で現状4,000の利益は、2.2倍の8,800となる。


以上です、12問中何問正解できましたか?


これらの公式は、

・個々の商品の損益分岐点売上高や、損益分岐点販売数や、限界利益をどうか

・販売促進(チラシなど)のために、どのくらいのコストを使う事が出来るか

・値引などの特売をした場合の、必要販売数と必要売上高はどうか

・商品ごとのロス率の限界はどこか

・設備(機械など)を導入した場合、償却年数に応じで損益分岐点はどう変わるか

・賃上げや役員報酬の増加額はどこまで可能か


など、まだ色々と応用が可能となります。


少々長くなりました、お疲れ様です。しかし、
損益分岐点などの公式を使う事で、社長さんの経営戦略まで変化すると思います。
是非、面倒がらずに実践して見たら如何でしょうか?

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2011年01月20日

期待される利益はどう求めるのか

今日は、朴念仁です。

先日、友人から

「ここは読者の方も分かっているだろうと、思いこみで記述を省略しない方が良い。」
「さらに突っ込んで、より具体的に例を挙げて説明したほうが、もっと理解しやすい。」
との、指摘をいただきました。


なるほど、「朴念仁の寝言」は、そのような本旨で開設されたはずなのです。

つい夢中になると、
「独りよがりから、自己満足に陥りやすいのが人間の習性」ではないかと思います。


経営も同じですよね。

時間を費やして、情熱を傾け、もうこれ以上やるところは何もないような状態で、
商品開発し、自信を持って発売します。

しかし、期待と裏腹に全く売れないことも、多々あるように思います。


これは、新商品開発に対する情熱などが、やがて愛着へと変わり、
「売れないはずはない」と、思い込んでしまうからなんですね。


この、自己満足は、顧客満足と表裏の関係にあると言えるのではないでしょうか。


そう考えると、何度かお伝えしている「仮説と検証」の問題も、
自分の都合の良い方に、データ分析してしまう危険が、潜んでいるかも知れません。

だから、検証データは、
主観的なものより、客観的なものに重点を置く
べきでしょう。

これにプラスして、顧客の購買心理の仮説・検証ができれば良いのだと思います。

蛇足ながら以上の事、恋に溺れやすい方は、気をつけましょうね!


さて、今日のテーマ「期待される利益はどう求めるのか」の話に参ります。

「損益分岐点売上高を算出その1〜3」の応用になりますので、
再度、以下の記事をご覧いただけたらありがたいと思います。

損益分岐点売上高を算出しましょう−その1

損益分岐点売上高を算出(変動費と固定費)−その2

損益分岐点売上高を算出(必要売上高の求め方)−その3


「損益分岐点売上高を算出その1〜3」で、

損益分岐点売上高と必要売上高は、

損益分岐点売上高=固定費÷(1−(変動費÷売上高))

損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動比率)

必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−(変動費÷売上高))

必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−変動比率)
(1−(変動費÷売上高)=1−変動比率=限界利益率という事でしたね)

以上の公式で求められると言う内容でした。


さて今回は、変動費と固定費に変化があった場合、期待される利益の求め方です。


必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−(変動費÷売上高))

だから、

同じ売上高で、変動費と固定費に変化があった場合は、
売上高=(利益+固定費+固定費増減)÷(1−((変動費+変動費増減)÷売上高))
の公式になります。



さらにこれを展開していくと、

売上高=(利益+増減後固定費)÷(1−(増減後変動費÷売上高))

利益=売上高×(1−(増減後変動費÷売上高))−増減後固定費

利益=売上高×(1−増減後変動比率)−増減後固定費


この公式で期待される利益を求めることができます。


前回も利用したABC株式会社を例にとって実際に期待される利益が
いくらになるのか計算して見ましょう。(単位:千円)

ABC株式会社の要約変動損益計算書から
youyakuhendou.jpg
 売上高は増減なし
 売上高=100,000

 変動費を5%削減
 変動費=36,000×95%
    =34,200

 変動比率=34,200÷100,000
     =34.2%=0.342

 固定費を5%削減
 固定費=60,000×95%
    =57,000

以上を公式に埋め込むとABC株式会社の要約変動損益計算書は
youyakuhendou(2).jpg 
利益=売上高×(1−増減後変動比率)−増減後固定費
   =100,000×(1−0.342)−57,000
   =100,000×0.658−57,000
   =65,800−57,000
   =8,800
 となります。

 当初の利益は4,000でしたが、
 変動費・固定費ともに5%削減することで
 利益は4,800増加、2.2倍になります。

 損益分岐点売上高は、93,750から86,626へと低下します。


ちなみに、要約変動損益計算書表中下段に、経営安全率とありますが、
黒字を維持するために、どのくらいの売上減少に耐えられるかを表しています。

経営安全率の数値が高いほど、不況に強い経営体質と言えるでしょう。


損益分岐点グラフで、この違いを見てみます。


現状のABC株式会社の損益分岐点グラフ
BEP graph.jpg


変動費と固定費を5%削減後のABC株式会社の損益分岐点グラフ
BEP graph(2).jpg


両者を比較すると

総費用線の傾きが小さくなり、固定費線が下に移動し、
損益分岐点が下降しているのが分かります。


このように、変動損益計算書を利用して、
売上高・変動費・固定費・利益の数値を自由自在に操ることで先ず概略予算をの作成し、その後本予算あるいは詳細予算に向かうのがよろしいかと思います。

その際一番適切なのは、
最初に必要利益を決め、必要利益を獲得するために変動費と固定費を操り、
最後に売上高を決定
する。

これが、朴念仁の考える正しい予算作成手順です。

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2011年01月19日

売上増と集客増のための仮説と検証の具体例

今日は、朴念仁です。

以前「中小企業経営における仮説と検証とは」と言う内容で、
拙ブログに記事を投稿させていただきました。

しかし、総論的で具体性に欠ける内容であったと反省し、
今回は、より具体的にお伝えしたいと思います。


たまたま、朴念仁は1月4日にブログを開設し、この投稿が15回目となります。

そこで、「朴念仁の寝言」ブログ開設から僅か15日ですが、
「ブログのアクセス数に関する仮説と検証」を実践していますので、
その具体的な方法をお伝えすることで、経営現場における仮説と検証とは
どんなものであるのかを、分かりやすくお伝えしたい思います。


拙ブログ開設における仮説と検証の手順

1)ブログのコンセプトまたは目的を明確にする。
  (目的のほうが分かりやすいですね)

  経営では理念と言う事になると思います


2)登録カテゴリーの設定。
  (読者層を選択すると言う事です)

  経営では、
  広義の意味で、経営戦略と事業の絞り込み、
  狭義の意味で、顧客ターゲットを明確にする。



3)質の高いコンテンツをお届けする。
  (記事の内容がコンセプトに合致しているか)

  経営では、高品質の商品・製品やサービス・技術を提供出来ているか。


4)一定期間のアクセスデータを検証する。
  (予定していた読者層が、どのくらい訪問しているか)

  経営では、顧客満足を提供出来ているかを
  販売数量、客単価、購入頻度、売上高、利益(率)、ロス(率)
  消費者クレームなどから検証する



5)アクセスデータをもとに、
  予定していた読者層の訪問増加と、リピート率をいかに高めるかの仮説をたてる。
  (タイトルやコンテンツを見直しなどにより)

  経営では、
  商品やサービスの改善・品質の向上、営業活動や販促活動の見直しにより
  どの程度顧客満足指数が向上するか仮説をたてる。



6)ブログでも経営でも4)検証と5)仮説を継続的に繰り返すが、
  期待する効果が得られない場合は、
  1)のコンセプトや理念、2)の読者層や戦略・顧客ターゲートを見直す。


と言う事になります。


さて、拙ブログに絞って、具体的にお話を進めて行きます。


1)ブログコンセプト

  顧問税理士さんや、ビッグネームのコンサルタントでは伝えきれない
  経営を行う上で基本的に知らなければならないこと
  経営の諸問題解決の糸口になることを、平易にお伝えする。


2)登録カテゴリー

  読者層ターゲットは、
  現場が忙しく時間的に制約がある、零細・中小企業で経営に悩んでいる社長さん。
  
  したがって、経営に関するカテゴリー登録となるが、
  たまたま、朴念仁がフィリピンに在住しているので、
  フィリピン移住者のカテゴリーにも、併せて登録。
  
  これは、朴念仁の経験から
  フィリピンの話題に関心を持っている社長さんも多いのではないか、
  経営カテゴリーだけでは、読者を集めにくいのではないかという仮説に基づく。


3)質の高いコンテンツ

  自身の経営体験とコンサルタントの立場を活かして
  どうしても、社長さんに分かってもらいたい内容
  社長さんが膝を叩いて、「これを聞きたかった」と言う内容
  を分かりやすくお伝えする。


4)アクセスデータの検証

  日別・曜日別の訪問者数
  記事タイトル別のページアクセス数
  カテゴリー別(経営とフィリピン)訪問者の割合
  リピーター訪問者の割合
  ページ閲覧時間
  前回訪問からの間隔
  検索サイト訪問者検索ワード(グーグルなどで、どんな言葉で検索し訪問)

  などのデータをエクセルで解析し、検証しています。


5)アクセスデータをもとに、新たな仮説を立てる

  記事アクセス数のABC分析により、読者の関心の高いテーマの見直し
  リピーター率やページ閲覧時間より、コンテンツの内容や文章の書き方の見直し
  フィリピンの経営カテゴリーへの寄与率から、カテゴリー記事割合の見直し
  検索ワードより、検索に掛かり易いキーワードの利用や、登録の見直し

  などの見直しにより、次のアクセス数の仮説を立てます。


6)さらに、検証⇒仮説を繰り返すことになります。


経営の様々な活動の中で、仮説と検証が実践されていくことが望ましいでしょう。
しかし、コンセプトや顧客ターゲットが違えば、採るべき検証データも変わってきます。
したがって、
最初にコンセプトをしっかりと考え、明確にすることが一番大切であると思います。


今回は、拙ブログを例にして、仮説と検証の具体例とさせていただきました。

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posted by 朴念仁 at 07:09| Comment(2) | オペレーション戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月18日

銀行はあなたの会社をこう格付けする

今日は、朴念仁です。


前回まで、3回に亘り
貸借対照表、損益計算書、変動損益計算書を使って、
損益分岐点の求め方、必要売上高の求め方
についてお話をさせていただきました。

社長さん、バックナンバーから、是非もう一度読み返してほしいと思います。

損益分岐点売上高を算出しましょう−その1

損益分岐点売上高を算出(変動費と固定費)−その2

損益分岐点売上高を算出(必要売上高の求め方)−その3

経営を行う上で、必ず押さえておかなければならないポイントであると、
朴念仁は思っています。


さて、銀行は融資の際に、社長さんの会社の
貸借対照表、損益計算書、経営計画書、資金繰り表などから可否を決定します。



しかし、銀行は社長さんの会社を、あるルールによって格付けしています。


会社の格付けは、「債権者区分」と言い、
銀行は、金融検査マニュアルに従って、
貸出先の債権者区分、いわゆる格付けをするように義務付けられています。


この格付け(債権者区分)は次の5つに分けられています。

1)正常先:債権の回収に問題がない。

2)要注意先:金利を減免した、元金・利息が延滞している。
  (この中にに要管理先があり、金利の支払いが3ヶ月以上延滞している)

3)破綻懸念先:実質債務超過で、金利の支払いが6ヶ月以上延滞している。

4)実質破綻先:実質債務超過で、金利の支払いが1年以上延滞している。

5)破綻先:不渡り手形の発生か、破産・清算で経営が破綻している。


この格付けにより、銀行は

・融資の可否
・金利
・貸し出し期間
・貸し出し方法
・担保や連帯保証人の有無


を決定して、社長さんの会社に融資することになります。


と、ここまで見ると、

「元金も利息も延滞せずに払っているから、わが社は正常先」
「だから、融資はいつも問題なく受けられる」

と、話はそんなに単純ではないのです。

銀行には銀行の都合があって、
融資先を、できるだけ正常先に留めておきたいのですよ。



なぜならば、銀行は、融資先が要注意先以下の場合、3%から100%で
貸し倒れ引当金を積まなければならない
からです。

例えば

要注意先の場合   3%くらい
要管理先の場合  15%〜30%くらい
破綻懸念先の場合 50%〜75%くらい
それ以上は   100%
正常先なら   0.1%

の貸し倒れ引当金を計上するよう義務づけられています。
これは、銀行の特別損失となり、それだけ利益が減少してしまいます。


例えばあなたの会社が破綻懸念先に区分されてしまうと
もし、1億円融資していれば、
銀行が5千万円以上引き当て計上し、その分利益が減ってしまいます。


引当金を計上すれば、当然、銀行の財務内容が悪化します。
これを避けたいんですね。


また、BIS規制により自己資本比率が
国際決済銀行は8%以上、国内銀行は4%以上と決められており
これを下回ると、金融庁(銀行の天敵)から業務改善指導を受ける
ことになります。


だから、ほんとうはすでに正常先ではない貸出先に、
追加運転資金なるものを融資して、見掛け上正常先であると取り繕っているわけです。


もうひとつ、何とか融資に応じる理由が銀行にはあると思います。


つまり、銀行としても会社が潰れてしまっては、これまた困る
支店長や融資担当者の評価下がりますから、転勤まで事故を起こしたくない。


だからお互いの妥協点として、
6か月くらいの資金繰り予定表と、経営計画書が必要になってくるんです。

で、この辺でお茶を濁して(とりあえず延命措置ネ)、
後は、「社長さん、頑張ってくださいね」となる訳です。
(でも、2回、3回と同じ手はダメですよ、本気で業績回復に取り組まないと)


銀行としては、
「もう心配でほんとうは融資したくない」
だけど、上記三つの理由で、簡単に融資申し込みを断ることもできない。


これが、融資のジレンマに陥っている銀行の貸出し姿勢ではないでしょうか。


これを逆手にとり、現状厳しい経営内容でも、
必ず先々経営が改善すると言う、見込み、証拠を見せなければなりません。

これが、資金繰り予定表と経営計画書です。
(経営計画は、変動損益計算書があるとほんとうに作成しやすくなります)


これらは、本来融資のために作成するものではないと思います。
自らの会社を健全経営へと導くためには、必要不可欠なものですから。


最後に、やはりすべての前提となるのが経営戦略であると、朴念仁は思います。

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posted by 朴念仁 at 06:02| Comment(0) | 資金繰り・銀行融資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月17日

損益分岐点売上高を算出(必要売上高の求め方)−その3

今日は、朴念仁です。


前回は、「損益分岐点売上高を算出(変動費と固定費)−その2」で、

・損益計算書を変動損益計算書に書きなおすには
・変動損益計算書から損益分岐点の求め方

と言う内容をお伝えしました。


今回は、

・損益分岐点売上高の公式を用いた例題
・損益分岐点グラフ
・計画利益を達成するための必要売上高の求め方


と言う内容をお伝えしたいと思っています。


早速、次の表を使って、実際に損益分岐点売上高を求めて見ましょう。

soneki to hendousoneki.jpg


さらにこの表を分かり易く要約して見ましょう。

youyakuhendou.jpg
要約変動損益計算書の数値と

損益分岐点売上高=
固定費÷(1−(変動費÷売上高))

損益分岐点売上高=
固定費÷(1−変動比率)


の公式から算出します。




(今後単位は千円)
先ず、ABC株式会社の場合

 変動比率=変動費÷売上高ですから
 =36,000÷100,000
 =36%
 =0.36
 となります。

損益分岐点売上高
固定費  60,000
変動比率 0.36
この二つだけ分かれば、計算できますよ。

早速計算してみます。

損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動比率
        =60,000÷(1−0.36)
        =60,000÷0.64
        =93,750

ABC株式会社の損益分岐点売上高は、93,750です。


次は、ABC株式会社損益分岐点グラフをご覧ください。

BEP graph.jpg


0から右上に伸びる青い斜め直線が売上高線
縦軸60,000で横に平行に引かれた茶の直線が固定費線
縦軸60,000から右上に伸びる緑の斜め直線が総費用線

【総費用から固定費の60,000を引けば変動費になる】
【また、総費用線の傾きが変動比率となる】


売上高線と総費用線の交わるところが、損益分岐点です。

当然、
交点より売上が低ければ赤字。
交点より売上が高ければ黒字。


このグラフを見れば、

固定費は、売上高の増減に関係なく、一定に発生する費用であり、
変動費は、売上高の増減に応じて、増減する費用
であることが、
容易にお分かりいただけると思います。


さて、ABC株式会社の変動費は、
固定費が一定なら、売上が1増えると変動費は0.36の割合で
増えることはすでにご理解いただけたと思います。


ここで、
限界利益=売上高−変動費ですから

限界利益の増分=売上高の増分−変動費の増分
といことになり、

売上が10,000増えると変動費は3,600増えることになります。

つまり、
限界利益の増分=10,000−3,600
       = 6,400

そして、
限界利益率=1−変動比率
と表すことができます。


ABC株式会社の限界利益率は、
限界利益率=1−0.36
     =0.64となります。

この会社の場合、
変動比率が一定で、固定費が変わらなければ
増分売上の64%が利益になります。


損益計算書で見るとABC株式会社の売上総利益率は35%ですが、
変動損益計算書ではABC株式会社の限界利益率は64%となります。

社長さんの中には、売上が増えれば、粗利益率の分だけ利益が増えると
勘違いしている方もおられるようです。


売上総利益率だけを見ていると、経営戦略を誤ることに気がつきます。


今度は、計画利益を達成するための必要売上高の求め方です。

ここまで来るともう簡単です。


損益分岐点売上高=固定費÷(1−(変動費÷売上高))

損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動比率)
ですから

計画利益を達成するための必要売上高は

必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−変動比率)
で求めることができます。


ABC株式会社の当期の経常利益は、4,000でした。
当初計画利益が4,000であったとして、必要売上高を求めて見ましょう。

必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−変動比率)
     =(4,000+60,000)÷(1−0.36)
     =64,000÷0.64
     =100,000

となり、一致しましたね。


それでは、ABC株式会社が、変動比率が一定で、固定費が変わらなければ

来期、10,000の利益を獲得するための必要売上高は

必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−変動比率)
     =(10,000+60,000)÷(1−0.36)
     =70,000÷0.64
     =109,375
となります。


前期利益に比べ
6,000増の利益を獲得するのに必要な増分売上は
=109,375−100,000

=9,375
だけで良いことになります。

ちなみに
(増分利益6,000)÷(増分売上9,375)=0.64=64%


ABC株式会社の限界利益率=1−0.36=0.64=64%
これも、一致しました。


経営計画では、年度予算も作成しますが、変動損益計算書から、
必要な利益と、概略の変動費、固定費、そして必要な売上高を求めることが
予算作成の入口
になります。


変動損益計算書や損益分岐点計算式は、まだまだいろいろな使い方があります。
また、経営をシュミレーションするのに、大変役立つ優れモノです。


取りあえず、毎月の試算表が確定したら、エクセルを使って損益計算書を
変動損益計算書に書き換えて見たらどうでしょうか。

毎月、時系列に作成しておけば一年の実績が一覧でき、とても便利ですよ。

損益分岐点グラフも、エクセルのグラフ機能を使えば簡単に作成できます。
(上記グラフも朴念仁が、エクセルで作成したものです)


何か、算数も多く、読みにくい記事が三回も続いてしまいました。
でも、覚えてしまえば簡単ですし、社長さんの経営の一助になればと思います。

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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。

2011年01月16日

経営の話に疲れたらこんな話題でお茶を濁す

今日は、朴念仁です。


損益分岐点売上高を算出(必要売上高の求め方)−その3
の原稿できてません!

すごく大切なとこなので、考え過ぎてしまいました。

したがって今日は、
カミサンの誕生日の様子をUPします。


スイマセン!

時は、1月10日

場所は、カバナツアンは、

あの「ひろし」こと型破り天才社長の経営する

ライブハウス「ZAPP’S」です。


ここは、朴念仁唯一のストレス発散の聖地。

年甲斐もなく、下手なディスコも時々は。
(いつも、カミサン赤面)


カミサンのHAPPY BIRTHDAY
(フィリピン人は誕生日パーティーが大好き)

happy b-day.jpg



さて、嬉しいやら、悲しいやらのサンジュウウン歳の誕生日

kill you.jpg



そんなにしょ気なくても・・・
誰でも一年一回年を取るでしょう

toshi totta.jpg



気を取り直して、バンドをバックに歌いまくり!!

singing.jpg



さあ、今夜も飲むぞとばかりのギャルたち
結局この日は、この娘たちテキーラ2本空けちゃいました
信じられません!

gals.jpg



ZAPP'Sのひろしさん、羽目をはずしてご満悦
自分は「舘ひろし」と言い張ってますが・・・?

shige pogi.jpg



負けじと朴念仁、男前競争!

yneng kawaii.jpg



そして夜も更け

madamada.jpg



こんな楽しい夜もある、朴念仁のフィリピンライフの一面でした。

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posted by 朴念仁 at 06:57| Comment(2) | フィリピンライフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月15日

損益分岐点売上高を算出(変動費と固定費)−その2

今日は、朴念仁です。

前回は、「損益分岐点売上高を算出しましょう−その1」で、

損益分岐点売上高を算出するために、
損益計算書とはどんなものであるのか、概略説明をさせていただきました。


今回は、

・損益計算書を変動損益計算書に書きなおすには
・変動損益計算書から損益分岐点の求め方

と言う内容をお話したいと思います。

前回も掲載した、簡略化されたサンプル表をご覧ください。

soneki to hendousoneki.jpg


左側が損益計算書で、右側が変動損益計算書となっています。
(損益計算書の解説は、前回のブログをご覧ください。)

左右を比較して見ましょう。

一番上の売上高と、一番下の経常利益は同じです。

変動損益計算書では、損益計算書の

売上原価
売上総利益
販売管理費
営業利益

の名前が無くなりました。

代りに、

変動費
限界利益
固定費


という名前が使われています。


さて、この変動損益計算書は大変優れモノですが、これを使うためには、

損益計算書にある科目

つまり、
製造原価の、原材料費と外注費と労務費と製造経費
販売管理費の、人件費・販売費・管理費
営業外収益と営業外費用

の中にある各科目を、
変動費と固定費に振り分ける作業をしなければなりません。


そこで、まず変動費とは何か
固定費とは何かの
説明をしなければなりませんね。


変動費とは
売上高や販売個数の増減に応じて、増減する費用のこと。


 損益計算書の中では、製造原価の、原材料費と外注費
           商品仕入高がこれにあたります。

例えば、売上高が0円なら発生しない費用と考えて差し支えありません。
だから、売上高がどんどん大きくなれば、それにつれて大きくなります。


固定費とは
売上高や販売個数の増減に関係なく、一定に発生する費用のこと。


 損益計算書の中では、販売管理費の人件費と販売費と管理費
           製造原価の労務費と製造経費がこれにあたります。

 朴念仁は、営業外損益もこれに含めたいと思います。

例えば、売上高が百万円増えても変わらない費用、と考えて差し支えありません。

店員さんの人数が売上千万円から百万円くらい増えたからって、
店員さんを増員しませんよね。

つまり、店員さんの給料=固定費となる訳です。


さて、ここで疑問が生じました。

 残業代は変動費ではないか、
 電気代や電話代の基本料金は固定費、使用料金は変動費ではないか、
 
などなどと。

もちろん、それらの科目を変動費と固定費に按分することは可能です。
が、しかしそのための管理に相当の手間を掛けなければなりません。

だいたい、残業代や電気代が極端に毎年変わるのでなければ
無視してかまわない範囲でしょう。

また、変わりそうな場合は階段式に、固定費として増額してやればいいんです。


さて、上記の変動損益計算書をもっと見やすくして見ましょう。

hendou.jpg

かなりシンプルになりました。

変動損益計算書は、上の表と同様に

限界利益=売上高−変動費(変動費は商品仕入高・原材料費・外注費)

経常利益=変動費−固定費(固定費は労務費・製造経費・販売管理費・営業外損益)

と、非常にすっきりとした形で表すことができましたね。


この、簡単な変動損益計算書を使って、
損益分岐点売上高を求める
ことができます。


損益分岐点売上高とは
利益と損失(赤字)がちょうど分岐となる売上高のことです。
言いかえれば、利益が0円になる点が、損益分岐点ということです。


さて、変動損益計算書より

1)経常利益=売上高−変動費−固定費となります。

利益が0円になる点が、損益分岐点
なら

2)経常利益が0円=損益分岐点売上高−変動費−固定費となり、

3)損益分岐点売上高=変動費+固定費となります。

これ、分かりやすいですよね。

つまり、
変動費または固定費が大きくなると、損益分岐点は上昇することになります。

だから、コストダウンすると、損益分岐点は下降します。


損益分岐点売上高は計算式によって求めることができます。


まず、売上高に対する変動費の割合を変動比率と言います。

売上高が増えると(減ると)、変動費はどのくらいの割合で増えるか(減るか)
と言う事ですが、

計算式は、
変動比率=変動費÷売上高

これは、
変動費=売上高×変動比率
と置き換えることができます。

この式を先程の

経常利益=売上高−変動費−固定費

の中に組み入れて見てください。


経常利益=売上高−(売上高×変動比率)−固定費

あるいは
経常利益が0円=損益分岐点売上高−(売上高×変動比率)−固定費ですね。

ここから先は算数です。
固定費=売上高−(売上高×変動比率)

固定費=売上高×(1−変動比率)

売上高=固定費÷(1−変動比率)

つまり
損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動比率)

変動比率=変動費÷売上高
ですから
損益分岐点売上高=固定費÷(1−(変動費÷売上高))

これが、損益分岐点売上高を求める公式です。


途中が面倒なら、最後の式だけを丸暗記するか
エクセルなどに記憶しておくといいと思います。

最後は算数の勉強になってしまって申し訳ありません。

しかし、次回以降はこの公式が非常に重要で、

これなくして経営できないこと
がお分かりいただける内容になると思います。



とりあえず次回は

・損益分岐点売上高の公式を用いた例題
・損益分岐点グラフ
・計画利益を達成するための必要売上高の求め方


と言う内容をお伝えしたいと思っています。

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2011年01月14日

損益分岐点売上高を算出しましょう−その1

今日は、朴念仁です。


前回、前々回と貸借対照表を使って、「健全な会社、危ない会社」は、
どうやって見分けるのかと言うお話をさせていただきました。

その中で、
「自己資本の拡大、自己資本比率の向上こそが、中小企業が健全に生きる道である」という結論を導き出させていただきました。

詳しくは、
健全な会社、危ない会社その1
健全な会社、危ない会社その2
をご覧ください。


今回は、損益計算書を使って、
損益分岐点売上高と、必要売上高の求め方まで、3回に亘り掲載予定です。
損益分岐点売上高を求めるためには
損益計算書を、変動損益計算書に書きなおす必要があります。


そして、変動損益計算書を使って、
損益分岐点売上高、当期必要売上高を求めて行きます。


併せて、損益分岐点グラフも作成したらよろしいかと思います。


さて、社長さん、貸借対照表はあまり見なくても、
損益計算書は必ず見ていると思います。毎月毎月、利益が気になりますものね。

ですから簡単に、損益計算書は何か、損益計算書から何が分かるのかを
下の簡略化したサンプル表使って、簡単に説明したいと思います。

soneki to hendousoneki.jpg


左側が損益計算書で、右側が変動損益計算書となっています。


先ずは、損益計算書とは、

一か月とか、一年(期首から期末)を会計期間として、

売上高から

仕入れた商品の額
製造に要する費用
経営を行うのに必要な経費(販売管理費と営業外損益)
特別利益・特別損失
法人税など

を引いて、最終的に当期純利益を計算するために用いられてます。
(詳しい概念や説明は、顧問税理士さんに聞いてくださいね、専門家ですから)


今回の説明では経常利益までとしておきますが、サンプル表のように

売上高
売上原価
売上総利益
販売管理費
営業利益
営業外損益
経常利益

の構成になっています。


この中にある各利益は、次のように求められます。

売上総利益=売上高−売上原価
(通常は粗利益って呼んでますよね)

営業利益=売上総利益−販売管理費

経常利益=営業利益+営業外利益−営業外損失


次にそれぞれの概略説明ですが、

売上原価は、商品仕入高と製造原価の合計

製造原価は、原材料費と外注費と労務費と製造経費の合計
(労務費には、賃金・賞与・法定福利費・福利厚生費など含みます)

販売管理費は、 
 人件費(役員報酬・事務員や販売員の給料・賞与・法定福利費・福利厚生費など)
 販売費(広告宣伝費・販売手数料・旅費交通費・通信費など)
 管理費(事務用消耗品費・水道光熱費・修繕費・諸会費など)
  ※販売費と管理費は別々に管理しなくても良いと思います。

営業外収益は、受取利息など

営業外費用は、支払利息、手形割引料など

ですね。


これらの科目名(広告宣伝費などの項目名のこと)は税理士さんに、
自社の都合の良い形に変更・追加して貰うと使いやすいと思います。

できないと言う事であれば、税理士さん変更したほうが良いですね。

ただし、科目名変更は頻繁にしないでください。
対前年比や科目別予算作成の時、連続性が失われてしまいますから。


さて、科目の中で朴念仁が気になっているのが、雑費という項目です。

社長さんの会社の経理担当者(奥様かな)、適当な科目が見つからないと、
とりあえず、雑費としてしまう傾向があります。

ところが、雑費が膨らみすぎてしまうと、損益計算書から何の経費が
増減しているのか把握できなくなります。



損益計算書を見る時、大体の社長さんは

売上高⇒売上総利益⇒経常利益と見て行くんではないでしょうか。

ほんとうは、
製造原価、販売管理費や、営業外損失の中身まで見て欲しいと思います。

もし、科目別予算が組まれていれば、気にするようになると思うのですが。
いちいち見ていくと、結構無駄遣いに気づくものです。

ここから、コストダウン意識も出でくるのではないでしょうか。


今日の最後に売上総利益(粗利益)について一言。


中小・零細企業の社長さんは現場社長さんが多いと思います。
社長さんの給料は役員報酬ですから販売管理費に含まれています。

ところごが、社長さんが現場に従事していれば、
その分は製造原価に含まれなければおかしい
ですよ。

売上総利益=売上高−売上原価(商品仕入高+製造原価)


ですから、実際に社長さんの現場従事割合を、
販売管理費からマイナスして、製造原価に含めるのが適当でしょう。


しかし、損益計算書の限界があります。

もし、より妥当で、より正確な売上総利益(率)を求めたいなら
別途管理する必要が出てきます。

この辺は、製造業なら原価計算にも影響してくる重要な問題であると
朴念仁は考えています。


今回は、損益分岐点売上高を算出するために、
先ずは損益計算書とはどんなものであるのか、概略説明をさせていただきました。


次回は

損益計算書を変動損益計算書に書きなおすには
変動損益計算書から損益分岐点の求め方


と言う内容をお伝えしたいと思っています。

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2011年01月13日

健全な会社、危ない会社その2

今日は、朴念仁です。


前回、「健全な会社、危ない会社その1」で、

貸借対照表は、企業のある時点での資産状況を示しており、
企業の健康状態の診断結果であるという、お話をしました。


今回は、貸借対照表を診断し、健全な会社と危ない会社を
分けるのは何か、についてお話しいたします。


下記は、簡略化した貸借対照表のサンプルです。

taisyaku.jpg


貸借対照表の説明は、「健全な会社、危ない会社その1」をご覧ください。

次は、さらにシンプルに
健全(健康)な会社、危ない(病気)会社の二つの貸借対照表です。


■健全な会社の貸借対照表

kenzen.jpg

健全な会社であると診断されるためには、
中小企業の場合なら、自己資本比率が40%〜60%以上。


自己資本比率=自己資本÷資産(総資本)

自己資本÷資産(総資本)≧40%ですね。

この辺のところが健全経営の最低条件であり、これを満たしていれば、
優良企業と認められ、資金繰り対策も、銀行融資対策も良い状態にあると言えます。


なお、手許に現金・預金が多ければ、

それだけ資金繰りにゆとりができ、銀行からの融資も簡単になります。
あるいは、運転資金のために、銀行から借入れする必要性も少ないでしょう。


また、同じ自己資本比率でも、その内容によって状況が変わってきます。


例えば資産の状況で
「流動資産」と「固定資産」の比率は各社の経営内容で随分と変わってきます。

一概には言えませんが、流動資産が多い方が
「流動比率」が高くなり、より手許現金が多い可能性があります。

流動比率=流動資産÷流動負債


自己資本が増加し、健全経営の会社になれば、
世間の評価が上がり、銀行の信用力も高まり、
役員報酬の増額だって可能となります。



■危ない会社の貸借対照表

abunai.jpg

こんな場合は危ない会社と診断されてしまいます。

自己資本÷資産(総資本)≦10%

自己資本比率が10%では債務超過目前。
(自己資本比率=自己資本÷資産(総資本))


ちなみに、債務超過とは、自己資本がマイナスになった状態の事です。


自己資本比率が10%くらいになってしまうと、資金繰りもかなり逼迫しています。
しかも、銀行からの融資はかなり難しくなってきます。

ここまで自己資本比率が低下すると
銀行は、実質的債務超過に陥っている可能性があると判断し、分析します。

・在庫や仕掛品を水増し計上していないか?
・不良資産はないか?
・貸付金が増えていないか?
・減価償却費が未計上になっていないか?

などをチェックされます。


自己資本の減少が続けば、役員報酬減額は避けられない状況となります。


企業の経営体質を見る場合 、
収益性・活動性・安全性・支払い能力・生産性などを分析しますが、

やはり、中小企業=小さな会社が目指すところは、自己資本の充実が一番

つまり、自己資本÷資産≧40%

ではないでしょうか。


ここで、貸借対照表から分かる会社の健康診断のポイント。


■自己資本比率=自己資本÷総資本
 (企業の安全性と、環境の変化に対する強さを示しています


この比率が低下している場合は
支払手形、借入金など、他人資本=負債への依存度が高くなっている場合です。

利益無視の借入金依存による拡大経営は、総資産が増える水膨れ体質で危険信号です。


■借入金/総資本比率=借入金÷総資本
 (借入金依存度を見る指標です


上記同様
拡大経営の場合や、
赤字補填などの後ろ向き借金をしている場合は、
比率が悪化します。


■流動比率=流動資産÷流動負債
■当座比率=当座資産÷流動負債
 (支払能力を見る指標です、当座比率は直近の比率)


比率が低下している場合は、

短期借入金の増加、
買掛金の増加、
運転資金で設備資金を賄っている、
などの理由が考えられますが、資金繰りは悪化していきます。

なお、受取手形のサイトが長く、支払手形のサイトが短い場合や
過剰在庫や不良在庫が発生している場合は、

比率は高くなりますが、資金繰りはきつくなる場合があります。


■売上債権/支払債務比率=売上債権÷支払債務
 (資金手当ての必要性を見る指標)


この指標が、100%を超えていれば、資金手当ての必要性があります。

売上の増加・拡大が続いている場合比率が大きくなります。

これは、売上が増加すれば
債権(売掛金・受取手形)、債務(買掛金・支払手形)も増加しますが
債務の支払いが、債権受取より早い場合、特に比率が高くなります。

しかし、この場合、運転資金が不足しても
売上拡大に伴う現象なので、銀行は容易に貸出に応じてくれます。


■負債比率=負債合計÷自己資本
 (他人資本が自己資本の何倍あるか、つまり他人資本の依存率を見る指標)


これが高ければ、「他人のふんどしで相撲を取る」ような経営状態でしょうか。


他にも
固定長期適合率とか、借入金/預金倍率などの指標があります。


貸借対照表から、以上のような(主な)指標を診断することで、

企業の健全性

・環境適応力
・資金繰りの状態
・水膨れ体質
・資本の自立度や依存度
・拡大経営や放漫経営


などを見てとることができます。


その他、貸借対照表と損益計算書を組み合わせて、
資本がどの程度効率よく利用されているかなどの分析や、

損益計算書により、
企業の収益性を見る分析などがあります。

これも、追々ブログにUPしていくつもりです。


是非今まで以上に、
貸借対照表に目をやる機会を増やしてほしいと思います。


最後に朴念仁は、

自己資本の拡大、自己資本比率の向上こそが
中小企業が、健全に生きる道であると思っています。


そして、多くの社長さんが勘違いしている秘められた真の意味を、
何れ、この自己資本の問題から解き明かしていこうと思います。

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posted by 朴念仁 at 07:18| Comment(1) | 企業の健全性(自己資本比率) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月12日

健全な会社、危ない会社その1

今日は、朴念仁です。


資産表または決算書を見ると
貸借対照表(B/S)と言うのがありますね。

この貸借対照表とは
企業のある時点での資産状況を示す、財務諸表のことです。


まずは、下の貸借対照表のサンプルをご覧になってください。
(話をシンプルにするために、実際の表に比べ簡略化したものです)

taisyaku.jpg

左右に区切られた
左側を資産の部(借方)といい、
右側を負債・資本の部(貸方)といいます。

また、負債と資本の合計は、必ず資産と等しくならなければいけません。

資産=負債+資本

左右の合計は必ず等しくなることから、
貸借対照表は、バランスシート(B/S)と言われます。


資産の部は、流動資産と固定資産
負債・資本の部は、負債合計と資本合計に
それぞれ大別されます。


それでは、その中身を見てみましょう。


資産の部のうち流動資産は

 当座資産(現金及び預金)
 売掛債権(受取手形・売掛金)
 未収入金及び仮払金
 棚卸資産
 その他流動資産

で構成されています。


資産の部のうち固定資産は

 有形固定資産(建物、機械、車両、土地など)
 無形固定資産(特許権、商標権、電話加入権など)
 投資等(敷金・保証金など)

で構成されています。


負債・資本の部のうち負債合計は

 流動負債(支払手形、買掛金、短期借入金、預り金など)
 固定負債(長期借入金など)

で構成されています。


負債・資本の部のうち負債合計は

 資本金
 剰余金

で構成されています。


それぞれの項目(科目といいます)、についての解説は
別途、用語解説集のページなどを拙ブログに掲載しようと考えています。


今日は、とりあえず貸借対照表と言うのは、
以上のようになっているとだけ、ご理解いただければと思います。


貸借対照表は、企業のある時点での資産状況を示しています。

人間に例えれば、健康状態を示している健康診断の結果表と言えます。


さて、それではこの貸借対照表の資産状況のどこを見て、

健全な会社

危ない会社


を見分けるのでしょうか。


朴念仁は、真っ先に
資本合計の大きさと、資産合計に占める資本合計の割合に着目します。


それから、個々の内容を点検し(診断し)この会社の健康状態は
今、どうなっているかざっくりと把握します。


ではなぜ、貸借対照表を診断した結果、
健全な会社、危ない会社を見分けることができるのでしょうか?


これについては、次回で説明いたします。

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posted by 朴念仁 at 06:39| Comment(0) | 企業の健全性(自己資本比率) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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