企業は自らと社会に対して、
経営理念や社是と言う形でその存在意義を明確にしなければなりません。
そもそも経営理念は事業活動の拠り所、立ち返るべき原点であり、
社員や社会に対する企業の使命を、問いただしているものであると思います。
その意味で、社長さんが経営判断に迷われる時も、
自社の経営理念、自社の使命に合致した事業活動や行動であるかどうか、
問うてみる必要があるのではないでしょうか。
使命は、お役立ちと言う言葉に置き換えても良いかもしれません。
お役に立つことが出来るからこそ、企業はその存在価値を認められるのでしょう。
今回の福島第一原発事故についても、
自衛隊や消防庁の隊員の強い使命感を感じました。
彼らの使命感は明白です。
「国民の生命、安全、財産を守る」
この強烈な使命感が、今回の生命を賭した活動の原点なのだと思います。
今回の出動に対し、隊員たちは命令を拒否することもできたはずです。
しかし、恐怖を乗り越え見事に任務を遂行することで使命を果たしている彼らに
ただただ敬服し、感謝する気持ちでいっぱいです。
さて一方で東京電力の第一番の経営理念、使命は
「安定した電力供給と発電設備の安全な運転」
と言うことなのでしょう。
「廃炉を覚悟で初期から海水注入を実施すべきであった」
「東電は自社の資産の保全を第一に考えた」
などと批判されています。
しかし、廃炉にすれば「安定した電力供給」に支障をきたすと言う使命感に対し、
大いなる自己矛盾を抱えていたのではないでしょうか。
だからと言って、このことで東電が責任を免れる術はないと思います。
残念なのは、社会的公器である東電に
「国民の生命、安全、財産を守る」と言う使命が
希薄だった、もしくはなかったのではないか、と思えてしまうことなのです。
さて、ここで政府=国はどうであったのか?
政府=国の使命はまさに
「国民の生命、安全、財産を守る」ことではないのですか?
東電がその理念、使命に自己矛盾を抱えているがゆえに
最良で、適切な判断が出来なかったのであれば
政府=国こそが、その役割を果たすべきではなかったのか。
この使命感の欠如に対し憤りを感じるのは私だけでしょうか?
さて、誤解を招くといけませんので言い添えたいと思います。
原発の事故現場で自身の生命を賭して
事態の鎮圧に必死に取り組んでいる東電やその他の現地職員には
自衛隊や消防庁の隊員と同様の感謝の意を表したいと思います。
そして、彼らの心から湧く使命感により、
きっと今回の事故は良い方向に収束すると信じています。
しかしその場合でも、
東電の経営陣そして政府=国の責任は、必ず問われなければならないでしょう。
最後に、地震・津波による被災地のこと以上に
原発事故に報道が集中しているようですが、少し気になるところです。
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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。