予算作成もしない、経営戦略立案もしないのは論外な話ですので
必ず毎期、どちらも行っていると言う前提で話をさせていただきます。
さて、今回のタイトルはふと思いつき
今、何の結論もなく思うがままにキーボードを叩いています。
意味のある内容になるのか、結論が出るのか、しばらくお付き合いください。
予算作成・経営戦略立案のどちらが先かは、
鶏が先か卵が先かみたいなものかもしれません。
しかし、経営戦略を長期と単年度に分けて考えると答えが出そうです。
企業は必ずしも創業時の志やビジョンがある訳ではないのでしょう。
図らずも社長になってしまった経営者の方もおられると思います。
また長男として生まれ、二代目になることが宿命で社長となった方も多いと思います。
あるいは、経営環境が激変して、経営方針の大転換が必要な場合もあるでしょう。
こんな場合先ずは一度、経営理念を見直すか、なければ立案するのが良いと思います。
経営理念は、自社が何のために存在しているのかを明らかにしてくれますし、
迷った時立ち返るべき拠り所とも言えるものです。
経営理念の思いやビジョンを実現するために経営戦略を立案し
その結果得られるものが利益となります。
ならば、
・創業
・経営者の交代
・経営方針の大転換
の時は経営理念(立案・見直し)⇒経営戦略⇒予算
と言うことになるのだと思います。
それ以外は予算作成が先に来るのではないでしょうか。
一期が終了すると決算書などにより一年間の業績が確認できます。
業績確認とは、経営分析により予算を達成できたかどうかの確認作業です。
何を確認するのかと言えば
利益(営業利益・経常利益・税引後当期純利益・限界利益)
売上高(部門別・商品別・担当者別)
などを損益計算書から、自社の収益性など分析します。
自己資本や自己資本比率、流動比率、特に現預金残高
受取債権(売掛金・受取手形など)、支払債務(買掛金・支払手形など)の状態
固定資産(機械等の設備投資や減価償却など)、固定負債(主に長期借入金)の状態
などを貸借対照表から、自社の健全性分析などします。
前期の経営分析に基づき当期の予算を作成します。
予算は、企業の一年後のあるべき姿を数値化したものです。
あるべき姿とは、
どんな収益構造で必要利益を獲得するのか
どんな財務体質で自己資本を充実するのか
この2点です。
たとえば変動損益計算書により
@変動費や固定費が変わると利益はどうなるのか
・原材料費などの値上げ・値下げで変動費はどのように増減するのか
・新規設備投資や人員の変動で固定費はどのように増減するのか
A製品価格が改定された場合に販売数量はどのように増減するのか
B新製品を投入したら売上高と利益にどのような影響があるのか
最終的にどのような収益構造になった時に必要利益を獲得できるのかを
繰り返しシミュレーションします。
この時の必要利益こそが、自社の存続と発展を約束してくれる唯一のものです。
必要利益とは自己資本増加が可能な利益です。
拙ブログで何度も申し上げてきましたが
【獲得利益>借入金元金返済額+納税額−減価償却費】とならなければ自己資本は増加しません。
自己資本の減少が続けば、やがて債務超過から倒産に至ります。
だから、
自社の一年後のあるべき姿とは必要利益を獲得することで
前期より自己資本が増加できる状態になっていることです。
予算作成はそのために行われるのです。
なお、この場合の予算は全体の損益予算と資産状態のことです。
そして、一年後のあるべき姿が数値化されたら
その数値を実現するために販売戦略など差別化経営戦略を立案し
限られた資金や人材を集中的に投入して行くことになります。
さらに戦略は具体的行動計画に落とし込まれ、予算は明細予算が作成され
予算の進捗状況と戦略の実行状況を毎月検証し
予算が達成できるよう常に戦略の手直しや見直しを行って行きます。
ここまでやらないと、
期末になって、予算で数値化した自社のあるべき姿に到達できないでしょう。
結論は、経営戦略は自社のあるべき姿に到達するために立案されるのならば
単年度では、予算作成ができてから経営戦略を立案した方が現実的であると考えます。
同時並行で行う?
それまた結構なことだと思います。
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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。