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2011年01月24日

資金繰りひっ迫・支払能力悪化は倒産の予兆

今日は、朴念仁です。

前回の「黒字経営なのになぜ資金繰りが大変」では、

会社が存続するためには、
健全な会社でなければならない。

健全な会社になるためには、
自己資本を充実させなければならない。

自己資本の充実のためには、ほんとうの会社の利益、
必要利益を獲得しなければならない。


そして、自己資本を増加させる必要利益を獲得するためには、

【獲得利益>借入金元金返済額+納税額−減価償却費】

となっていなければならない。

これが出来ない会社は、資金繰りが苦しくなり、やがて債務超過に転落する。

と言う内容でしたね。


じつは、債務超過になればもちろんのこと、
資金繰りがひっ迫していれば、たとえ決算上黒字であっても
会社の行く末は、倒産と言う事になりかねないのです。


自己資本の充実こそが、
健全経営への道であるこを、十分ご理解いただきたいと思います。


さて今回は、健全経営・資金繰りの問題を、別の視点から見て行こうと思います。

会社を危険な状態に置かないためには、資金が順調に回っていく必要があります。
資金繰りの悪化は、言いかえれば支払能力の低下と言う事ですね。


それでは、以下の貸借対照表を参考に、支払能力の善し悪しを判断して見ましょう。
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流動比率から支払能力を見る

一年以内に現金化する流動資産と、
一年以内に返済、または、支払わなければならない流動負債
のバランスを見る。

流動比率=流動資産÷流動負債

(流動資産:現金・預金・売掛金・受取手形・棚卸資産など)
(流動負債:買掛金・未払金・支払手形・短期借入金など)

流動比率が高いほど資金繰りが楽になります。
当然、流動負債が多くなれば資金繰りは苦しくなります。

150%以上あれば良しだが、200%くらいあれば安心でしょう。

この比率が低下している原因は
・買掛金や短期借入金の増加
・運転資金で設備資金を賄っている

対策は
・短期借入金から長期借入金に変更する


また、次の場合比率が良好でも、資金繰りは苦しくなってしまいます。

・受取手形のサイトが長く、支払手形のサイトが短い
・過剰在庫か不良在庫の発生

対策は
・受取手形決済期間を短縮する
・支払手形決済期間を延長する
・在庫管理を徹底する


当座比率から支払能力を見る

流動資産のうち換金性の高い当座資産と、流動負債のバランスを見る。

当座比率=当座資産÷流動負債

換金性の高い流動資産=当座資産とは、
現金・預金・売掛金・受取手形・短期貸付金・一時所有の有価証券など。

当座比率が高いほど資金繰りが楽になります。
当然、流動負債が多くなれば資金繰りは苦しくなります。

80%以上あれば何とか、でも、100%以上が望ましいと思います。

この比率が低下している原因は
・過剰在庫を抱えている
・拘束性預金(借入金の担保預金のため使えない)がある
・焦げ付き債権がある

対策は
・在庫を削減する
・短期借入金から長期借入金に変更する
・顧客の与信管理を冷静に判断する


売上債権/支払債務比率から支払能力を見る

代金の回収と支払、つまり、受取勘定と支払勘定のバランスを見る。

売上債権/支払債務比率=売上債権÷支払債務

在庫と現金・預金を除いた運転資金がどうなっているのかが分かります。

100%以下であればまず問題ないが
それ以上になると、資金手当てが必要になってきます。

この比率が高くなる原因は
・売上の増加が続いている
・売上の季節変動が大きい
・突然大量受注が発生した

売上が増大すれば、債権(売掛金・受取手形)、債務(買掛金・支払手形)
ともに増加するのは分かりますよね。

特に、債務の支払の方が債権回収より早い場合、その時間差のため、
売上好調にもかかわらず、資金繰りが苦しくなってしまうのです。

対策は
・銀行から短期運転資金を調達する
 (これは、増加運転資金といい、銀行は容易に融資に応じるので心配ない)

反対に、売上が減少の場合にも比率が良くなるので、この場合は要注意!


固定長期適合率から支払能力を見る

自己資本と他人資本あわせて、どれくらい固定資産に使われているかを見る。
(他人資本とは固定負債のこと)

固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)

自己資本だけで固定資産を賄うのが理想ですが、
中小企業でなくとも、自己資本だけでは足りないのが、日本の企業の現状です。

比率は小さければ小さいほど良い。ただし、100%を超えたら問題ですよ。

この比率が高くなる原因は
・長期借入金による設備投資

対策は
・自社の返済限度額内で長期借入金を調達する

返済限度額とは、
利益−納税額+減価償却費の範囲内で返済できる額のこと。

(もう、何度も出てきましたね)

ちなみに、採算割れと、良く言いますが、
ほんとうは、この範囲を超えた場合のことを言うのですね。
知ってました?

返済限度額を超えると、当然、長期借入金の返済に行き詰ってしまいます。


まだ手形の問題など他にもありますが、支払能力を見るためには、
取りあえず、この四つの指標を気にして欲しいと思います。


企業は売上が増加しているから、黒字だから、安泰ではないのです。
お分かりいただけましたか?


さて、それでもこんな指標は面倒だ、と言う声が聞こえてきそうです。
(ほんとうは、それじゃ困るんですけどね)


そんな社長さんのために、もう一つの危険な兆候を見つける方法は

・粉飾決算をしてしまった(在庫・仕掛の水増し計上、売上はやってないですよね)

・借入金の返済が遅れがちになってきた

・買掛金や未払金の支払いのための支払手形の期日を長くしたか、支払が遅れている

・納税資金や賞与資金を借入しないと支払えない

・資金繰りが頭から離れず、仕事に打ち込めない(遊んで、飲んで忘れる?)

・銀行が融資に応じない

・役員からの借入金が増えてきた
 (社長さんの個人預金を取り崩すか、役員報酬を受け取っていないという意味)

どれか思い当たる節があれば、必ず

流動比率=流動資産÷流動負債
当座比率=当座資産÷流動負債
売上債権/支払債務比率=売上債権÷支払債務
固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)

の指標が悪化しているはずです。


今回は、資金繰りの問題を、支払能力の視点から見てきました。

社長さん、どうか、倒産になど至りませんように!

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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。


posted by 朴念仁 at 07:15| Comment(0) | 資金繰り・銀行融資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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