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2011年02月04日

生き残りを掛けた弱者の経営戦略の必要性

今日は、朴念仁です。


「自己資本の増加を可能にする利益額を獲得するための経営戦略とは何か」
「経営戦略を考える上での鍵は何か」


について、何回かに分けてお話して行こうと思います。
(何回になるのかは、朴念仁も検討がつきません、しかも最初はちょっと退屈かな)

取りあえず今日は、
1)経営戦略とは
2)経営戦略の必要性
の話です。

先ず、次の表をご覧ください。
jirei-csya.jpg

この表は実在したローカルな和菓子製造会社、C社のごく簡単な事業展開の内容です。
もちろん、C社なりの戦略に基づき経営計画を策定し、経営を行ってきました。

C社は、一時期自己資本比率も60%を超え、借入金もごくわずかでした。

順調な業績を背景と、社長の野心で、
増産体制を敷くために多額の借り入れをし、生産工場を新築、新規設備を導入し、
全国展開を目指す戦略に打って出ました。

結果は倒産です。
C社はかつて、地元では知られた優良企業であったにもかかわらずですよ。


商品力や技術力、価格競争力が弱かったとお考えになりますか?

実はいくつかの得意先または販売店舗において、
和菓子部門のトップシェアを獲得してきました。

事業を継続するのが困難になったのは、戦略を考える上での基本的定石や、
鍵となるものを疎かにした経営
を行ってきたからなのです。


C社の誤った戦略はやがて、
1)生産部門の異常な忙しさから品質管理が疎かになった
2)業界トップ企業のミート戦略に打ち負かされた
 (ミート戦略とは、弱者の差別化戦略を無効にしてしまう、強者の物まね戦略)
と言う結果を招いてしまいました。

つまり、小さな会社と大企業では、全く違う戦略の原則があると言うことなんです。


小さな会社がこの原則を知らずに経営を続ければ、
C社のようにやがて廃業するか、倒産する危険性はかなり大きいでしょうね!


小さな会社の戦略=「弱者の経営戦略」を考える前に、以下の事を整理しておきます。


戦略と戦術は違う。

戦略とは儲けるための目的ですが、そのために

・企業が将来に向かってあるべき姿は何かを明確にする(ビジョン)
・経営の考え方を明確にする
・他社に対する自社の優位を確立する
と言う事です。

戦術とは儲けるための手段ですが、そのために
今までの延長線上で現状のやり方や方法を改善する。

たとえば、
技術であれば、「他社に圧倒的に優位な技術を確立すること」が戦略です。

一方、他社に優位な技術を使って
製品を生産することや、生産性の向上を考えることが戦術です。


あるいは、
販売であれば、「ある地域とか特定の顧客層において、シェアナンバーワンになる
というのが戦略です。

ナンバーワンになるために、顧客訪問回数や、来店頻度を管理するというのが戦術です。

たとえば、「顧客第一主義」が戦略となっている場合、
スローガンになってしまっては戦略ではありません。

顧客第一主義という戦略を、各部門や、一人一人の社員が自己の仕事に置き換えて、
戦術としてブレークダウンできなければ、戦略はあっても機能していない
と言う事になってしまいます。

つまり、戦略と戦術は経営の両輪だと思いますよ。


さて、戦略がない小さな会社の特徴ですが、

・社長自らが陣頭指揮を執って日々の指示をしないと社員が動けない
・社長の判断変更で現場が常に混乱する
・社員は日々の業務だけに埋没していく
・社内で発生する問題はいつも今日の問題ばかりになる
・クレーム対応に社長が忙殺されている
・できない理由が「忙しいから」になる
・よい提案でも否定する社員が多い
・社員から何の提案もない
・一年中同じテーマに明け暮れるが何も変わらない
・会社全体に覇気がない
・社長が財務が嫌いである

結果、常に資金繰りに追われたり、赤字が続いたりする。

これでは、社長は、社長本来の仕事=経営ができなくなりますよね。
たとえ、今は黒字であっても、やがて赤字に転落して行くでしょう。


さあ、ここで戦略とは本来何でしょう?

戦略とは、意思決定をすることですが、軍事ならばそれで良いでしょう。
経営の場合、戦略は成長戦略でなければなりません。

成長戦略とは
競争に勝ち抜き儲けるための意思決定をすることです。

これを、経営戦略と言うのだと思います。


また、成長戦略は、環境・顧客・競合・自社の全ての要素を考慮して決定します。
このことを整理して考えるのに、SWOT分析という便利なものがあります。
いずれ、SWOT分析については詳しくお話しいたします。


さらに、 成長戦略は、経営戦略とオペレーション戦略の二つに分けて考えます。

経営戦略は、差別化により競争優位を確立することですが、
オペレーション戦略とは、経営革新により競争優位を確立することです。


例えば、
・作業標準化・効率化によるコストダウン、迅速化(スピードですね)で競争力を向上
・顧客満足・顧客思考での製品開発や、販売対応で競争力を向上
・財務内容の改善による資金充実で競争力を向上

などのことをオペレーション戦略と言います。


さて、今なぜ小さな会社=中小企業にとって戦略が必要なのでしょうか?

バブル経済以前は市場規模の拡大の時代でした。

・右肩上がりの経済成長
・大量生産・大量販売や、拡大が勝ち残りの道
・今までの延長線上で改善や効率化をすることが経営 
 つまり戦術だけで勝負すればよかった


バブル経済以後は市場の成熟化の時代になりました。

・右肩上がりの経済成長が崩壊とデフレ経済
・アジア諸国、特に最近は中国の台頭(グローバル化による競争激化)
・価格競争の激化
・消費者思考の多様化


高度経済成長期は、あらゆる産業において需要が拡大した時期です。
需要が拡大すれば、社長さんのいる業界全体の売上が拡大しました。

社長さんの会社も、市場占有率に比例して売上が伸びてきたはずです。

つまり、成長率に差があっても、誰でも、すなわち、
戦略がなくても戦術だけで成長できた時期です。


やがて、市場が成熟し低成長期を迎えました。
高度経済成長期と違って、需要は伸び悩みます。

市場占有率の高い企業が売上を伸ばし、
市場占有率の低い企業の売上は低下する傾向が出てきました。

市場占有率が上位企業の寡占化が進んだはずです。
経営資源が大きい企業が勝利できた時期です。


今の日本は成熟期もピークを過ぎ、
多くの産業が、飽和期・衰退期に向かいゼロ成長期から、デフレ期
が続いています。

現在の特色は、市場占有率トップの企業が1人勝ちし、
さらに市場占有率を高め、2位以下全ての企業が敗者となる時代です。


需要が伸びないから、全体の売上も伸びないので、売上の奪い合いになっている訳です。
だから、どの企業もかつてないほど、激しいシェア競争をしていますよね。


今は、高度経済成長期のように、ビリでも後を着いて行けば生き残れた時代ではなく、
負けは、市場からの撤退を意味しています。


経済成長のおこぼれで売上を伸ばすことのできた時代は、とっくに終焉しました。

戦略に基づいた経営を実践できる企業だけが、勝ち残ることができます。


だから、今からでも、すぐにでも「弱者の経営戦略」を構築することが必要なのです。
それこそが、生き残りの唯一の道であると、朴念仁は思っています。

序論的で退屈な話になりましたね。朴念仁もそう思いながら書いてきました。

ゴメンナサイ!
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posted by 朴念仁 at 07:09| Comment(2) | 差別化経営戦略(儲けの理由) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日は春みたいに暖かい関西です(笑)

戦略と戦術おもしろいですね

中小では社員が多ければ、社員のレベルを上げなければ、中々会社としての戦略が実行できないですよね
例えば、会社としての戦略を考えても戦術の段階で各部門、各担当へと実行できていけない
トップの方針書から実行計画書を作成し各担当の実行計画書へ落とし込む
それを個々が廻していけば計画達成するはずだけど、部長だと会社の方針書の中で部は何をする 課長だと課は部長の実行計画書から何をする 担当は課長の実行計画書から何をする と落としていけば、トップから担当まで戦略が串刺しになりと思います 
が、それが中々、下までの落としていく中で個々のレベル差が大きいと戦術が方向違いに成ったり、空回りしたりします
大企業はこの部分に金を掛けて人材育成をする
だからレベルが揃い会社の意思が通りやすい気がします

中小や個人事業はやはりトップがしっかりとした戦略を持たないとこの部分で絶対にまけると思います 
特に個人は全て一人で戦略戦術を実行するわけですから大変ですね
優先順位を付けて一つ毎、実行していくしかないですね

戦略戦術を考える場合
客観的な目で自分の事業(仕事)をいかに見れるか?という事が本当に大事だと思います
でも中々難しいのも事実です


すいません 長々と無責任に評論家みたいな事書いて申し訳ないです

でも、勉強になります ありがとうデス


Posted by アンポン at 2011年02月04日 15:10
アンポンさん
そうです、小さな会社はあれもこれもできる訳ないですよね。

だから、自社の事業領域と顧客層を絞り込み、
コアコンピタンスからKFSを明らかにした戦略を確立しなければならないのです。

それを経営計画に落とし込み、進捗管理を徹底する。

ただし、進捗管理は、必ず担当者と、期限が決められていなと、意味がない訳です。

それを、社長が粘り強く確認し、フォローして行く。

結局、中小は全て社長!こう言う事ですね。

それにしても、アンポンさんは良く勉強されていますね。感心します。
Posted by 朴念仁 at 2011年02月04日 17:28
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