拙ブログ「小さな会社だからエクセレントカンパニーになる」の記事の中で
ランチェスターの第一法則・第二法則についてお伝えしました。
中小企業はランチェスター第一法則の適用条件下
・局地戦:互いの兵力数が確認できる狭い範囲
・原始兵器:1 回の攻撃で1 人が1 人しか攻撃できない単発兵器
・接近戦:至近距離での戦い
で競争しなければならない。
この条件下ならば、
戦闘力=武器効率×兵力数によって、弱者でも強者と互角以上に戦える。
と言う内容でした。
これを、経営戦略に置き換えて見れば、
武器効率とは質的経営資源、
商品力、技術力、サービス力、情報力、営業マンの資質、信用
兵力数とは量的経営資源、
資金力、生産設備の量、生産拠点、営業マンの数、営業拠点
であり、このうち質的経営資源に磨きをかけ
コアコンピンタンス
(他社に真似できない技術、サービス、ノウハウなどの核となる能力)
USP
(Unique Selling Proposition、独自の売り)
を確立することで、
KFS(Key Factor for Success)=成功の鍵を見つけ出すのが
小さな会社=弱者の差別化戦略であると言う内容でした。
しかし、ランチェスター戦略は、
強者は1位だけで2位以下は全て弱者であると定義づけしていましたね。
すると、中小企業=弱者は、
第一法則の適用条件下で競争しても、やはり勝つことは出来ないのでしょうか?
そこで今回は
中小企業はランチェスター第一法則の適用条件下
・局地戦:互いの兵力数が確認できる狭い範囲
・原始兵器:1 回の攻撃で1 人が1 人しか攻撃できない単発兵器
・接近戦:至近距離での戦い
で戦い、「勝利するためには」について、具体的にお話して行きたいと思います。
先ず最初に申し上げたいことは、ランチェスター戦略の判断基準は、
全国でシェア1位とか、
全国で一番売れている商品である
など、競争のフィールドを全国というレベルだけに固定するものではない
ということです。
つまり、
弱者は細分化された競争局面(フィールド)で戦う。
戦うフィールドは当然全国のような広範囲ではなくて、
地域、得意先、商品などで細分化された局面を探しだし戦う。
ことになります。
その戦い方は、
1)局地戦で戦う
2)一騎撃ち戦で戦う
3)接近戦で戦う
4)一点集中主義に徹する
ということになります。
局地戦で戦うとは
・営業マンが短期でカバーできる狭い地域や、小さな商圏、特定顧客
に限定することで、効率的かつ、集中的に訪問できる。
・小さな市場や、特定顧客において高いシェアを獲得し、
その市場での地位を磐石にする。
一騎撃ち戦で戦うとは
・取引先が多い場合、
得意先はかえって、取引先を減らしたいと思っているので弱者には不利となる。
そこで、顧客内シェアが1社独占に近い状態になっているところを狙う。
・取引先が1社だけでは、
情報量不足、仕入価格などで、顧客が不満や不安に思っている場合がある。
また、営業マンも、マンネリに陥りやすく、御用聞き営業になっている。
・複数のライバルと戦う必要がないので、攻めるポイントがわかりやすい。
・あるいは独占商品に対抗する商品の開発をして、ぶつけて行く。
接近戦で戦うとは
・顔の見えない相手では自社をアピールできず、あなた任せの営業になる。
したがって、エンドユーザーに直接アプローチすることが重要である。
・商社や、問屋、代理店を経由する場合でも必ず同行販売する。
下請であっても、元請と同行して実際の注文主と面会することで印象付ける。
・チラシや、DM、アナログな手紙や葉書による案内などが効果的である。
一点集中主義とは
・局地戦であっても、その地域内を平均的にカバーするのでは意味がない。
その中で、さらに重点地域や、重点顧客に特化して攻めるとよい。
・あるいはある特定の業種に絞り込んで一点集中すれば効果が高い。
さらに、その中の特定顧客まで絞り込めば、より効果が高い(密度が濃い)。
以上の方法で戦うのであるが、
これに加えて商品でも細分化局面を作る戦略が、より効果的となる。
あれも、これもの商品を提案するのではなく、
自社のこれぞという商品に絞り込んで、一点突破を図る方が印象が強い。
朴念仁の失敗経験からも
弱者が大企業に対抗して、多品種で戦うことは避けた方が良いと思います。
以上が
地域、得意先、商品などで細分化された局面を創り出し競争し(戦い)
生き残り、勝利する、中小企業=弱者の経営戦略の入口であると思います。
しかし、細分化された競争局面に勝負を持ち込んでも、
相変わらず兵力数にあたる量的経営資源では、大企業には勝てません。
そのために武器効率にあたる、質的経営資源の性能を高めて
差別化戦略をとることになります。
この、差別化戦略については次回以降でお話ししたいと思います。
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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。
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