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2011年02月09日

「モスの差別化戦略とは何?」と突然の質問にビックリ!

今日は、朴念仁です。


いつも通りスカイプを使ってコンサルやっている時のことです。

いきなり社長さんが、
「朴念仁さん、モスバーガーは弱者の差別化戦略ですよね」
マクドナルドと、どう差別化しているんですか?」

「そりゃ、高品質・高価格で差別化でしょう」
と、簡単に答えておきましたが、
これでは責任ある(?)コンサルの答えじゃないですよね。


ちょうど今、この社長さんとは、来期の差別化戦略と経営計画の策定過程で、
意表を突く質問に、
一瞬たじろぐとともに、成長していることが嬉しかったですね。

その調子で、立派な差別化戦略と経営計画を策定して欲しいものです。


そんな訳で、
今回は「差別化戦略とは何か」というテーマを予告していましたが
面白そうなので急遽、
モスバーガーの差別化戦略対マクドナルド」にテーマ変更です。

それでは社長さん、あなたの質問に真面目のお答えしますよ。


量的経営資源、つまり
資金力、生産設備の量、生産拠点、営業マンの数、営業拠点で
第一位、あるいは上位企業に劣る会社は、必然的に、
弱者の差別化戦略を取らなければならない」と言うことでしたよね。

弱者の差別化戦略のうち、
その戦い方は前回の「儲からないのは場所と方法に原因があります」で

1)局地戦で戦う
2)一騎撃ち戦で戦う
3)接近戦で戦う
4)一点集中主義に徹する

と言うお話をさせてもらいました。


実は、その上で、質的経営資源、つまり
商品力、技術力、サービス力、情報力、営業マンの資質、信用
に磨きを掛け、強者と差別化して行く必要があるのです。


さて、モスは、量的経営資源においてマクドよりはるかに劣っています。

売上規模も、マクドナルド3200億円(前期は3600億)に対し、
モスバーガーは600億円程度で、マクドナルドは5倍以上です。

モス、マクドともに売上高は減少しましたが、営業利益率は向上しています。
このあたり、両社ともに経営体質の改善途上と言うところでしょうか。


マクドは、ハンバーガー業界第1位に留まらず、外食産業全体でも第1位と
モスから見れば、圧倒的強者の立場にあります。

したがって、モスバーガーの生き残り、成長戦略は
自ずと、「弱者の差別化戦略でマクドナルドに対抗する」
ことになりますよね。

あるいは、対抗するのではなく、
独自の路線を行くと言った方が適切でしょうか。


さて、皆さまもご存じのとおり
モスバーガーの差別化戦略の1丁目1番地は、確かに高価格・高品質です。


以前、1990年代ころ値下げ競争が激化した時も
(02年にはマックは1個59円まで下がった)
モスは、高価格路線を変更することはありませんでした。

その他の戦い方も

・立地
・顧客層の絞り込み
・厳選された材料
・ヘルシー=健康志向を謳う
・食の安全の追求


などで、高価格・高品質との複合化差別化戦略を取っている訳です。

特に差別化商品の基本理念が「日本的価値の充実」であり、
ここが、マクドと決定的に異なる点ではないでしょうか。

加えて、肉・野菜に対するこだわりが相当感じられます。


以前、少し触れたことがありますが、
強者は弱者の差別化戦略を無効にしてしまうミート戦略を、必ず取ってくる
と言うお話をしたと思います。
(ミート戦略とは、弱者の差別化戦略を無効にしてしまう、強者の物まね戦略)

ですから、モスの差別化戦略は、
マクドにミートされ難い、複合差別化戦略で対抗しているので
大変理にかなった、優れた弱者の差別化戦略なのでしょう。

しかし、最近かなり事情が変わってきましたが。
(ここは、後述しています)


さて、複合差別化戦略は、攻めどころの焦点がぼけてしまい
さすがの強者も二の足を踏まざるを得ない点で、
弱者は必ず、複合差別化戦略を取るべきである
と、強く確信します。
(これって、朴念仁の経験からあえて申し上げときますね)


もう1点特徴的な差別化戦略が、モスバーガーにはあります。
量的経営資源のうち、資金力においてもはるかに劣っている訳ですよね。

しかし、全国的ブランド力を高めるためには、量的資源である販売拠点を、
ある一定量築くことも重要な要素でしょう。


ここに、モスはフランチャイズ店を積極的に展開することで
資金力の少なさをカバーする戦略を採用してきました。


つまり、フランチャイズならば、店舗や設備の資金はオーナーが負担するので
モスにマクドほどの資金力がなくても、一定の店舗展開が可能となる訳ですね。

ちなみに2010年3月決算時点で
1368店舗中、フランチャイズは1303店舗。

一方、マクドは圧倒的に直営店舗比率が高いのです。


この辺は、両社の決算書の比較からでも、すぐに分かります。
全く違う財務体質になっていました。


粗利益率は、モスのほうが25%前後高いが
売上高販売管理費率は、モスのほうが25%前後も高いので

結局営業利益率は、そんなに変わらないところに落ち着いています。


また、設備などの固定資産が、どのくらい投入されているのかを見る
固定比率は74%で、モスの方が圧倒的に低いのですね。
マクドのそれは100%を超えている期もありますから。
(固定比率=固定資産÷自己資本)


しかしながら、自己資本比率はモスバーガーが77%に対し
マクドナルドは30%弱
となっています。
(自己資本比率=自己資本÷資産(総資本))
単純には言えませんが、モスってやっぱり優良企業でしょう。


この辺の指標はなかなか面白いですよね。

以前、業界の平均的指標や粗利益率を気にしても意味がない
と言うお話をしましたが覚えていますか?

モスやマクドの場合のように
業種が同じでも、戦略や業態が違えば、単純比較はできないと言うことですね。

ですから、社長さん、他社の指標に惑わされず
しっかりと自社の差別化戦略の策定と、その実行に取り組んでくださいね。


話が少しそれました。


最近の強者マクドナルドは、戦略の転換を図っています。


低価格戦略一辺倒から脱却し、
競争力のある商品開発の強化などに経営方針を転換する一方で、

低価格ながら売上の高い「100円マック」の拡充など、
中価格帯と低価格帯の商品を両立させる戦略を取っています。


また関連商品の拡大にも力を入れています。

「プレミアムローストコーヒー」。
他業界であるコーヒー店市場への進出を狙っているのでしょうか?

すると、ターゲットはやはり、スターバックス。


また、不採算店やブランドイメージを低下させる立地店を閉鎖。
その後、集客が見込める好立地へ移転する。

さらに、好立地のなかで、大変高級感のある店づくりでの実験店を出すなど、
新たなブランド戦略が伺えます。


また、地域別価格や立地別価格(上記な場合など)を導入することで、
利益率の改善とブランドイメージ向上に取り組んでいます。

実は、この辺の戦略の意味合いや、効果について、朴念仁には良く分かりません。


今後、モスバーガーが、どのような弱者の戦略で巻き返しに出るのか?

中小企業を応援する朴念仁としては、
強者の一人勝ちを許さず、存在感のあるモスバーガーとして、
弱者のお手本になる新たな戦略を打ち出すことに、期待したいと思います。

と言う結論で、今回はこれまで。


次回は、「弱者の差別化戦略とは何か」についての基本をお話しいたします。

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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。


posted by 朴念仁 at 06:44| Comment(3) | 差別化経営戦略(儲けの理由) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
同じ土俵の上では確かにモスはNO1のマクドが一番の強者であるが、はたしてマクドを強者としての展開がエエのか?と良く思います

いろんな面で多様化した現在、例えばお客さんが500円もってお腹がすいたと仮定すると敵はマクドではなくチキンかもアイスかもはたまた回転寿司かも?
それを
ハンバーグを食べたいとなるような戦略が必要になります 流行を作ると言うことでしょうか・
これはむつかしいですよね・・

もっと大きな土俵を見る必要が出てくるような気がします
モスはNO1のマクドを追い抜け追い越せでいいんでしょうか?

前々から頭の中で思うだけで、そんな大きな話はイマ現在無関係ですが・・(笑)
Posted by アンポン at 2011年02月09日 17:10
アンポンさん
その通りだと思います。

外食産業やファストフード全体の中で、お客さんに選ばれなければなりません。

しかし、ある業界全体が切磋琢磨、競争することで、
その業界のポジショニングが上がっていきます。

たとえば、マクドVSモスが話題になればなるほど、
無意識のうちに、お客さんはバーガーに関心を寄せるようになります。

つまり、お客さんの選択の流れは
外食⇒バーガー⇒モスORマクドとなるのではないでしょうか。
Posted by 朴念仁 at 2011年02月10日 08:17
おはようございます

なるほどデス

大きく見れば今の世界は多様化しすぎて大変ですね

何にお金を使うか?使わすか? ですね

参考になります
Posted by アンポン at 2011年02月10日 10:15
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