何はともあれ、企業の内部留保・従業員給料・世帯平均所得の推移を比較して見ます。
以下財務省「法人企業統計調査」による。
内部留保の推移
全企業合計
(単位:億円)
平成元年:1,175,212
平成05年:1,419,360
平成10年:1,316,064
平成15年:2,066,812
平成20年:2,797,788(平成元年/平成20年−238.1%:平成10年/平成20年−212.6%)
このうち
資本金500万円以上1000万円未満の場合
平成20年:22,061(平成元年/平成20年−32.4%:平成10年/平成20年−146.2%)
資本金500万円未満の場合
平成20年:21,439(平成元年/平成20年−27.4%:平成10年/平成20年−311.7%)
従業員給与などの推移
(単位:億円)
平成元年:1,156,164
平成05年:1,428,095
平成10年:1,468,758
平成15年:1,333,243
平成20年:1,464,120(平成元年/平成20年−126.6%:平成10年/平成20年−99.7%)
このうち
資本金500万円以上1000万円未満の場合
平成20年:22,061(平成元年/平成20年−32.4%:平成10年/平成20年−77.4%)
資本金500万円未満の場合
平成20年:108,520(平成元年/平成20年−71.2%:平成10年/平成20年−116.1%)
平均世帯所得の推移
(単位:万円)
平成元年:556.7
平成05年:657.5
平成10年:655.2
平成15年:579.7
平成20年:547.5(平成元年/平成20年−98.3%:平成10年/平成20年−83.6%)
先ず内部留保は企業全体では約280兆円、これはかなり莫大な金額です。
もちろん、
内部留保は設備投資等に使われていますから、すべて手元現金ではありません。
しかし、この間設備投資以上に、投資等により多くの金が使われています。
比べるに従業員給与などは平成10年/平成20年比で99.7%と、これが現実です。
しかし、資本金500万円以上1000万円未満の内部留保は
平成元年/平成20年比で32.4%、この規模の中小企業は大幅に内部留保を減らし
かなり厳しい経営を強いられているのが良く分かります。
朴念仁が中小企業は内部留保の充実のために
@必ず必要利益を獲得できる予算と
A必要利益を達成する経営戦略の立案を
しましょうと言っているのは、このような現実があるからなのです。
この財務省のデータでは平成20年の資本金1000万円未満の企業数は
162.8万社となっていますが、相当数が実質的債務超過状態ではないかと推測します。
平均世帯所得に至っては、
平成元年/平成20年比で98.3%、直近では昭和の水準まで低下しました。
平成10年/平成20年比の所得金額は107.7万円も低下しているのですよ。
これらの事実から
国内景気の低迷は、企業から国民に金が回らなくなったから
消費が低迷しているのだ、と言われる理由の一つでしょう。
大企業は国際競争力の向上を錦の御旗として、内部留保を蓄えてきました。
そのしわ寄せになっているのが、従業員と中小企業なのです。
最近、小売サービス業が0円戦略をはじめとして、
低価格戦略に活路を見出そうとしているのも、こう言った厳しい現実があるからです。
だから今、かつてないほど自社の差別化戦略を真剣に考える時ではないでしょうか。
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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。