前回は、「競合店対策は一切するな」で、
セブン・イレブン鈴木敏文社長流の経営を参考に
「顧客のために」と考えることは、
「顧客はこういうものを求めている」という思い込みに陥り易い。
現実はどのお店も過去の経験や情報の分析により
「顧客はこういうものを求めている」という勝手な思い込みをしているから
どのお店も同じような品揃えになり、マンネリ化して行く。
だから、他店と差別化するためには
「顧客のために」ではなく「顧客の立場になって考える」
と言う発想が求められる。
と言うお話をさせていただきました。
過去の経験や情報の分析が不要であると言う事でありません。
過去の経験や情報は、どういった積み重ねで出来ているのかが
大切なことであると思います。
朴念仁のお客様も
顧客情報や、商品情報が取得できる新しいレジの購入を検討しています。
過去の情報を収集して、
・顧客層や来店頻度を分析
・売れ筋商品を分析
・正確なABC分析など、
経営の判断材料にしたいと考えているのだと思います。
セブン・イレブンもいち早くPOSシステムを導入した会社です。
ですから、顧客情報や、商品情報の分析が必要なのは言うまでもありません。
問題は、
「分析は何のためにするのか」と言うことなのです。
先ほど申し上げた
「過去の経験や情報は、どういった積み重ねで出来ているのか」
の答えがここにあると思います。
分析は、「仮説」が正しかったかどうか「検証」するために行われるべきなのです。
つまり、なんの仮説もない過去の経験や情報は
ただの結果に過ぎないので検証ができず、次の仮説へと発展して行かないのです。
分析情報は、仮説の検証のための情報であることが必要なのではないでしょうか。
一方で、仮説のためにも情報は必要ですね。
しかし、仮説は検証のための情報だけでは考えることはできません。
仮説のためには
先読み情報、あるいは先行情報を収集することが求められます。
そして仮説の目的のひとつは
チャンスロス=機会損失を低減することにあると思うのです。
チャンスロス=機会損失を低減し、可能な最大売上を獲得するために
「顧客のために」ではなく「顧客の立場になって考える」
と言うことになるのではないでしょうか。
セブン・イレブンでも、
真冬の寒い日にはおでんや、肉まんや、味付けの濃いものが良く売れるでしょう。
真夏には、ビールや冷たいソフトドリンクや水が良く売れるでしょう。
本格的シーズンインの前には、これらの商品の仕入れは控えらているはずです。
しかし、季節は三寒四温で次の季節を迎えます。
この時、天気予報という簡単な先行情報を使えば
あすは、少し寒いとなれば、おでんの仕入れを増やすことができます。
天気予報を気にしなければ、おでんの売上は機会損失を生ずることになります。
翌日、おでんの仕入数量・販売数量・ロス、そして気温を検証します。
ロスがないか、非常に少なければ、まだ機会損失があったと判断します。
ロスが大きければ、過大な仕入れがあったと判断します。
また、気温との相関関係を考慮します。
展開場所やPOPの内容に問題がなかったかなどの検証も必要でしょう。
これらを検証することで、仮説が正しかったかどうか判断し
次回の仮説へと発展させていきます。
このような仮説と検証を繰り返すことで
おでんの売上は、可能な最大売上に達して行くのではないでしょうか。
さらに、
仮説のない情報で商品をABC分析した結果と言うのも、全く疑わしいのです。
なぜなら、この情報からは機会損失情報が何も見えません。
A商品がB商品よりもっと売れているとしても
B商品の機会損失が大きいとすれば
A商品とB商品の順位は、ほんとうは逆転するのかもしれないのです。
簡単な例として説明しましたが、経営のあらゆるシーンにおいて、
仮説を立てない結果では、検証のしようがありませんね。
そして、繰り返しますが
「顧客の立場になって考える」と言う発想と
「先行情報をもとにした仮説と検証」で、
@チャンスロス=機会損失が低減され
A他社に差別化した品揃えができ
Bマンネリ化せずにお客様に飽きられない
商売ができるのではないでしょうか。
また、付け加えさせていただければ
・顧客の立場になって考え
・仮説と検証の繰り返しにより
新商品の開発も行われなければならないでしょう。
そして、パートから正社員にいたるまで全社的に
・仮説と検証ができる管理会計を導入し
・仮説と検証ができる教育と組織を作り
・進捗状況を管理できる体制をどのように確立して行くのか
が、今後の経営に求められるでしょう。
急激に変われないかもしれません。
一歩一歩の前進になろうかと思います。
そのためには、社長さん自身の粘り強さと、
強力なリーダーシップが必要になると思います。
拙ブログでも何度かお伝えしてきました。
「経営は、日々仮説と検証の繰り返し」なのです。
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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。
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