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2011年04月19日

デフレと需要供給の関係

今日は、朴念仁です。


前回の「デフレ経済と財政破綻の基本認識」の続きの話になります。

需要供給曲線という経済モデルがあります。

需要供給曲線は需要曲線と供給曲線をグラフ化して
今後の需要と供給の関係を推測
するために、利用されているものだと思います。

需給曲線はマクロ経済にも、ミクロ経済にも利用可能ではないでしょうか。


需要曲線は
消費者が、満足度が最大と感じる合理的な行動を前提として
「商品やサービスがいくらの時に、それらを欲しいと思うのか」
をグラフ化したものです。



ある商品Aが1000円の時、欲しいと思うお客様が1万人います。
この商品が600円になれば、欲しいと思うお客様が2万人になります。

「商品やサービスが安くなれば欲しくなる人が増える」
という消費者の購買心理をグラフ化したものが需要曲線です。


供給曲線は
供給者(企業)が、利益が最大になると考える合理的な行動を前提として
「商品やサービスがいくらの時に、それらをどのくらい生産するのか」
をグラフ化したものです。



ある商品Aが1000円の時、2万個生産したい。
この商品が600円になれば、1万個の生産しかできない。

「商品・サービスが高くなればなるほど多く生産したくなる」
という供給者(企業)の行動をグラフ化したものが供給曲線です。



ここで
「消費者は欲しくなる」
「供給者(企業)は生産したくなる」という心理的作用が働いているのであって、
生産したくなるから全て売れる訳ではありません。


そこで、消費者と供給者(企業)の双方の合理的な妥協点として
価格が決められて行きます。

この双方の合理的な妥協点が
需要曲線と供給曲線の交わる点となります。

つまり、
需要曲線と供給曲線の交点が双方の妥協による価格なのです。
この両方をグラフ化したものを、需要・供給曲線と言います。


例えば、ある商品Aが800円で、供給量が1万5千個の時に
消費者と供給者(企業)の双方の合理的な妥協点が均衡価格となります。


需要供給曲線の一般的な均衡モデル
ds-kinkoumodel.jpg


さてここで
供給が一定で需要だけが増えた、つまり需要曲線だけが右側に移動した場合、
需要曲線と供給曲線の交点がEからE1に
供給はDSからDS1へ、価格はPからP1へ移動します。

この段階で供給者(企業)の利益はP・P1・E・E1の面積分だけ増加します。
このケースは1社独占市場では成立し得るかもしれません。


しかし、現実には
一方的に需要曲線だけが右側に移動するようなことはありません。


価格がPと同じまままで
需要DSがDS2まで増加(需要曲線が右側に移動)した場合
供給量がDSの場所に居たのでは、企業は機会損失が発生してしまいます。


そこで、供給量をDS2まで増加(供給曲線が右側に移動)させます。
この時の交点E2で、需要と供給が一致(バランス)したことになります。


需要供給曲線の不景気時の均衡モデル
ds-kiinkoumodel-hukeiki.jpg


不景気の時は、上記モデルケースの反対になります。
需要DSがDS1まで減少する、つまり需要曲線が左側に移動します。

需要が減少したので、
供給DSがDS1まで減少する、供給曲線も左側に移動せざるを得ません。


こうして、需要と供給の増減により価格が決まる(均衡価格)と言う考え方が
需要・供給曲線の古典的経済モデル
なのです。

市場は放っておいても需要と供給の調整が働くのですが
不景気の時に、政策的な後押し=公共事業や金融政策で、
まず供給曲線を右へ移動させ
景気の回復を早める、と言うのがケインズ的経済モデル
なのでしょうか。


さて、需要・供給曲線グラフに緑色で、下限曲線と言うものを引いてみました。

下限曲線とは、企業がこれ以上価格を下げれば赤字になってしまう
供給曲線の損益分岐点と言えます。


需要・供給曲線が下限曲線の上で移動を繰り返しているうちは
今まで説明してきた、市場原理で自然に均衡価格に向かうかもしれません。

不景気の時は、
公共事業や金利引き下げなどで、景気回復を図ることで
やはり需給がバランスして、均衡価格に向かうことが可能なのでしょう。



需要供給曲線のデフレ時の不均衡モデル
ds-hukinkoumodel-def.jpg


しかし、デフレの場合は
価格均衡点が下限曲線の下になっている状態ではないでしょうか。


つまり企業は、完全に赤字体質になっているはずです。


デフレの場合も不景気同様に
需要が減少して、需要曲線はDSからDS1まで左へ移動します。
供給曲線も需要に合わせて、DSからDS1まで左へ移動してしまいます。

しかし、デフレとは価格PがP1まで下降してしまう状態なのです。
だから企業は採算割れに陥って行きます。


またグラフでは、一見交点E1で均衡しているように見えます。
これは、需給がバランスしているのではなく、需給は交点Eにあるはずなのです。

このEとE1の差を需給ギャップと言うのでしょうか。


とにかく本来、下限曲線の下での均衡などあり得ないのです。
ですから、この状態は明らかに不均衡にあると言えるでしょう。



このようなデフレの不均衡で、不健全な経済状態にある時
供給(企業)サイドへの経済政策は全く無意味
に思うのですが・・・。

デフレの原因は消費低迷ですから
直接消費を上向かせる経済政策以外に、デフレ脱却はできない
と思うのです。


デフレ時の不均衡とは、需給の交点が下限直線の下にある状態。

つまり、今の日本のデフレは
@企業がこれ以上価格を下げられない下限に達している
A賃金もこれ以上下げられない下限に達している
B金利もこれ以上下げられない下限に達している

状態にあるのではないでしょうか。

だから日銀の金融政策もほとんど効かないのだと思います。


そうなると、デフレ脱却のためには
強制的に需要を喚起する
以外にないと思うのですね。

ですから、前回、減税などと大それたことを申し上げたのです。

そして、景気が回復し、適度なインフレになり、
景気が過熱し始めたタイミングで、増税する。


ここから財政再建が始まる。


今回のような単純な理屈で、経済は動いていないのかもしれません。

しかし、過去の経済政策が、ことごとく失敗に終わっているのであれば
残された手段は、減税くらいしか残っていないような気もします。

朴念仁も、所詮学生並みの素人です。
こんな浅はかな話で、貴重なお時間を浪費させてしまったならば、
心からお詫びいたします。

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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。


posted by 朴念仁 at 14:09| Comment(2) | どうでもいいことですが | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、群馬県前橋市在住のノブと申します。

大変恐縮する話ですが、
正直、私は朴念仁さんのページを毎日スルーするばかりのフィリピン関連ブログサーフィン族でしたが、いつも朴念仁さんのブログが気になっていました。

本日始めて拝見いたしましたが、流石は長年のキャリアですね!
ブログ内容の感想は、非常に高等な経営学を陳腐な私にも理解出来る物でした。

朴念仁さんの様な専門理論を土台とした自身の実務実践学を惜しげもなく御教授して下さるブロガーさんの存在が、私やその他大勢に人生のヒントを恵んで下さるのだと感じました。

今後共に御指導、御鞭撻の程、宜しくお願い致します。
Posted by ノブ at 2011年04月20日 07:26
ノブさんへ
身に余るお言葉をいただき、何やら恥ずかしくなります。

私がお伝えしている内容が全て正しいなどとは、到底思っていません。
されど、情報を発信している以上、誠心誠意の記事を投稿しようと心がけています。

今回の記事も、三つのグラフ作成だけで、2時間を要してしまいました。
もし、そんなところを評価いただいているとするならば
「ほんとうに嬉しくなります」
ノブさん、ありがとうございます。
Posted by 朴念仁 at 2011年04月20日 08:11
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