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2011年05月16日

仕掛品原価の計算方法

今日は、朴念仁です。


一般的な製造業(ロット生産や大量生産)であれ
現場で工事・作業する業種(住宅建設や電気設備工事業など)であれ
必ず月末時点で製造途中あるいは現場途中の未完成品が発生しますね。

一般的な製造業であれば、この未完成品が販売可能なものであれば
それは、半製品になります。
未完成品が販売不可能なものであれば、これを仕掛品とします。

ちなみに建設業では、仕掛品を未成工事支出金と言います。


さて、この仕掛品は非常に厄介な代物です。
まず、完璧に計算することなど不可能でしょう。
ですから税務署も「税務基準による曖昧な仕掛品の計算方法」で良しとしています。

しかしながら、税務の基準による仕掛品の計算方法が、これまた分かりづらいのです。
社長さんもかなりいい加減にやっているのではないでしょうか。

しかしですよ、仕掛品の金額が売上高に比べて大きい場合
あまりいい加減にやっていると、当期利益もかなりいい加減な結果
になってしまいます。
また、仕掛品原価の評価方法は、
扱っている製品や社長さんの考え方によっても違ってきます。


今回は、この厄介な仕掛品について説明したいと思います。


仕掛品原価の計算が厄介な理由は
@当月の仕掛品と、前月の仕掛品では数量と原価が違っている
Aだから、正確に仕掛品数量棚卸を毎月実施しなければならない
Bだから、仕掛品原価を毎月計算しなければならない
Cだけど、仕掛品原価の計算は手間が掛かるし難しい
からなのです。


しかしながら、当期製品製造原価を計算する場合
仕掛品の原価を完全に正確に行うのは無理でも
毎月同じ基準、同じ考え方で実施する必要があります。

なぜならば、仕掛品が当期利益に与える営業が大きいからです。


さて、当期製品製造原価を求める場合
当期総製造費用から期末仕掛品棚卸高を引いて期首仕掛品棚卸高を加えます。



一般的な製造業の場合は
期首仕掛品原価と当期製品製造原価は
直接材料費と加工費に分けて計算
することになります。

仕掛品原価=仕掛品の直接材料費+仕掛品の加工費
完成品原価=完成品の直接材料費+完成品の加工費

と言うことになります。


加工費とは直接材料費以外の全部の費用のことですね。
つまり、労務費と製造経費(または現場経費)と言うことになります。

労務費は、給料ばかりでなく賞与や法定福利費や福利厚生費も含まれていますよ。
加工費は、水道光熱費・修繕費・消耗品・減価償却費などです。

一つ一つの費用を
各製品ごとに仕掛品分として計上するのは不可能であることが分かります。
だから、税務署も曖昧だが、ある程度合理的な計算方法を認めているのです。


問題は仕掛品原価をどのように合理的に按分するのかですね。

一般的製造業では
@仕掛品の直接材料費は数量で按分する
A仕掛品の加工費は完成品換算量で按分する↓

事で良いことになっています。


例えば10個の製品を加工する場合
8個は完成しましたが、残り3個については加工の進捗度合いが50%とします。

材料費が200万円、加工費が100万円の場合
製品1個あたりの完成時の原価は
材料費が20万円、加工費が10万円になります。

この時材料費は、加工が全部終了していなくても既に投入されています。
一方加工費は、未完成の3個につき、50%が未加工の状態になっています。


この場合の月末仕掛品原価は
月末仕掛品原価
=仕掛品の直接材料費+仕掛品の加工費
=(1個あたり材料費×仕掛数量)+(1個あたり加工費×進捗度合い×仕掛数量)

=(20万円×3個)+(10万円×50%×3個)
=60万円+15万円
この製品の月末仕掛原価は75万円となります。


材料費と加工費が同じ場合の月初仕掛品原価は
未完成が2個で、50%が未加工とします。
月初仕掛品原価
=仕掛品の直接材料費+仕掛品の加工費
=(1個あたり材料費×仕掛数量)+(1個あたり加工費×進捗度合い×仕掛数量)

=(20万円×2個)+(10万円×50%×2個)
=40万円+10万円
この製品の月初仕掛原価は50万円となります。


当月のこの製品の投入=製造費用が330万円とします。

当期製品製造原価を求める場合
当期総製造費用から期末仕掛品棚卸高を引いて期首仕掛品棚卸高ですから

当月製品あたり製造原価
=製造費用−月末仕掛品棚卸高+月初仕掛品棚卸高

=330万円−75万円+50万円
=305万円

この製品の当月製造原価は305万円と言うことになります。


建設業などの場合の数量按分は
もし工事の進捗度合いが50%ならば0.5棟
と考えればよいのです。

完成時加工費が1000万円ならば
材料費は使用した全部を仕掛として計上します。
仕掛加工費=1000万円×50%=500万円と言うことですね。

しかし、現実には全ての現場作業が同一進行していません。
基礎は終了しても、電気工事などは最後のほうになります。

こうなると、作業別に進捗度合いを求めることになってしまいます。
これって、なかなか大変ですよね。

この場合、それぞれの下請けさんからの毎月の請求額を合計したものを
当月の未完成工事支出金の加工費分として計上するのが良いかもしれません。


そのためには、請求書明細を現場別に作成してもらえば良いと思います。


所詮仕掛品も進捗度合いで求めるのであれば、曖昧の意味はここにあるのです。
50%か60%か、どこを持って進捗とするのか?
このあたりが、社長さんの考え方となるのです。


いずれにしても、仕掛の計上の仕方で当期利益が変わってきます。
したがって、毎月・毎期で同一の基準を適用することが大切であると思います。


最後に、期末の仕掛品を水増し計上すれば
当期製造原価は小さくなり、過大な利益が出てしまいますが
これは粉飾決算ですから、くれぐれも気を付けてください。

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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。


posted by 朴念仁 at 09:28| Comment(0) | 管理会計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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