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2011年06月07日

在庫が資金繰りを悪化させる

今日は、朴念仁です。


前回は、減価償却費が、資金繰りに影響を与えると言う話をさせていただきました。
詳細は「減価償却費と資金繰りの関係」をご覧になってください。

さて在庫もまた、資金繰りに影響を与えるひとつの要素です。
過剰在庫を抱えていると、黒字でも資金繰りが苦しくなる原因となります



次の例題を使って説明して見たいと思います。

A社はある商品を650円で仕入、1,000円で販売していますが
当期は10,000個販売することができました。

この時、商品の期首在庫は1,000個、当期の仕入数は15,000個ありました。

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販売数は10,000個ですから
期首在庫数+仕入数−販売数により、期末の在庫は6,000個となります。


この状況を、損益計算書キャッシュフロー計算書の両方から見てみます。
なお、説明を簡略にするため
取引はすべて現金決済で、その他の条件は無視することにします。


損益計算書では
売上高は、1,000円×10,000個=1000万円
仕入高は、650円×10,000個=650万円
粗利益は350万円で
ここから費用の250万円引いた残りの100万円が利益となります。

経常利益率10%ですから、まずまずの経営内容と言えるでしょうか?


キャッシュフロー計算書では
売上代金が1000万円ありましが
仕入数量が15,000個あり、したがって仕入代金の支払いは
650円×15,000個=975万円となります。

費用の支払額は250万円ですから、
売上代金回収−仕入代金支払−費用の支払
=1000万円−975万円−250万円=−250万円

現金(キャッシュ)は225万円の持ち出しになってしまいました。

zaiko-rieki2.jpg

A社の当期決算は黒字にはなりましたが、
過剰在庫を抱えてしまったために、手元にある現金が減少してしまったのです。


もし、販売数と同数の仕入数であれば、利益と同額のキャッシュが生まれた訳です。


次年度は、在庫管理を徹底すれば仕入数は相当に少なくなりますので
今度は、利益以上にキャッシュが増加するはずですから、資金繰りは改善します。

しかし、仕入れた商品がもう販売できなくなってしまったらどうしますか。
6,000個分の390万円が不良在庫となってしまいます。

この、不良在庫を償却すれば、
利益が390万円少なくなってしまうばかりでなく
そのお金が全く無駄に使われてしまったことになり
その危険性をはらんだ経営は、決して良い経営とは言えません。

ですから、企業は資金繰りと限られた資金を効果的に使うために
・在庫の適正化
・在庫リスクの低減

の工夫と努力が必要になるのです。


今回は商品を仕入れて販売する場合で説明しましたが
製造業でも全く同じことが言えます。

材料や包装資材が過剰在庫になっていれば、その分資金が眠ってしまうことなり
在庫の性質によっては、劣化により利用できなくなってくるものあります。


やはり、在庫管理を徹底して自社の適正在庫を守ることが必要となります。
在庫管理するだけで資金繰りが楽になり、死に金を生まずに済むことになるのです。

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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。


posted by 朴念仁 at 07:25| Comment(2) | 資金繰り・銀行融資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
資金繰りについて調べていたら行きつきました。銀行融資の受け方というのが多い中、共感できました。勉強になります。勝手にリンク貼らせてください。
Posted by a.yama80 at 2011年06月07日 23:38
a.yama80さん
税理士さん目指して勉強しているのですね。
ただ、税務申告だけの税理士ではなく、
中小企業の社長さんと経営課題を共有できる税理士になってほしと思います。
Posted by 朴念仁 at 2011年06月08日 07:18
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