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2011年06月24日

ランチェスター戦略の落とし穴

今日は、朴念仁です。


昨日お客様と電話で打ち合わせ中のことです。
「朴念仁さん最近ランチェスター戦略の勉強を始めました」と言うことでした。

大変結構なことだと思います。
ただし、ランチェスター戦略を自社の都合のよいように勝手に解釈してしまうと
とんでもない罠に陥ることになります。


ランチェスター戦略については、たくさんの書籍も出ていますし
私などが語るより、ご自身で本を購入され勉強される方がずっと良いと思っていたので
拙ブログでも取り上げてきませんでした。

しかし、私のお客様が興味を持ったので
今回はランチェスター戦略について書いてみようと思います。


イギリスのフレデリック・W・ランチェスターという
自動車の設計・製作エンジニアが、第一次世界大戦中
空中戦における双方の戦闘機の数と損害数との間に法則がある
ことを発見しました。

この法則が、「ランチェスターの法則」と言われるものです。


第二次世界大戦では、
アメリカ軍がこのランチェスターの法則を軍事戦略に利用し勝利したのです。

この軍事戦略を経営戦略に応用したのが「ランチェスター戦略」なのですね。


さて、戦闘のために考えられたランチェスターの法則には
第一法則と第二法則があります。



戦闘が局地戦・単発兵器(1回の攻撃で1人しか攻撃できない)・接近戦の条件にある時戦闘の結果は
@味方の損害量=味方の初期兵力数−味方の残存兵力数
A敵の損害量=敵の初期兵力数−敵の残存兵力数

のように評価でき、@とAの損害量は一致する。

味方の初期兵力数が10人、味方の残存兵力数が4人ならば味方の損害量は6人。
この時敵の初期兵力数が6人ならば、敵の残存兵力数は0人となり敵の損害量も6人。

損害量は同じでも味方は4人が生き残り、戦闘に勝利することになります。

さらに、敵の3倍の兵力で戦えば必ず勝利すると言う「3:1の法則」が生まれました。
これがランチェスター第一法則で、戦闘力=武器性能数×兵力数で表されます。


一方で
戦闘が広域戦・近代兵器(1回の攻撃で複数の敵を攻撃)・遠隔戦の条件にある時
各兵力数は2乗され武器が同じであるならば、
第一法則より兵力数の差が圧倒的な差となり、
損害量は√(ルート)で計算されるので極端に少なくなる。

これがランチェスター第二法則で、戦闘力=武器性能数×兵力数×兵力数で表されます。

この、ランチェスターの第一法則と第二法則の軍事戦略を
経営戦略に置き換えたのが、「ランチェスター戦略」です。



それでは経営戦略は、これをどのように置き換えるのでしょうか。

武器効率とは
商品力、技術力、情報力、時間、サービス、信用(経営者)などですが、
これらを質的経営資源とします。

兵力数とは
社員数、営業マンの数、支店などの拠点の数、資金力、設備などですが、
これらを量的経営資源とします。

戦闘力とは
市場占有率(シェア)ですが、顧客獲得能力とします。


第一法則は
顧客獲得数または市場占有率(シェア)=質的経営資源×量的経営資源

第二法則は
顧客獲得数または市場占有率(シェア)=質的経営資源×量的経営資源×量的経営資源

となります。


このような法則のもとで、
圧倒的な一番を目指すのが「ランチェスター戦略」の本来の意味です。

一番ではなく圧倒的な一番とは「3:1の法則」が適用されることで実現します。
ここはとても重要な概念で、競合他社が諦めるほどの差を付けると言う意味です。

今回はこれ以上詳しい説明は省略させていただきます。


また、「ランチェスター戦略」は中小企業、大企業ともに成り立つ戦略ですが
多くの中小・零細企業の場合は第一法則の下での戦いとなります。

局地戦は
○○市や△△町などの狭い地域
性別・年齢・趣味・ライフスタイルなどの絞り込まれた客層

兵器は
チラシ・DM・ポスティング・手紙・ブログ・ホームページ

接近戦は
エンドユーザーへの直接販売
が基本となります。


大企業は第二法則の下で
全国を市場=広域戦
マスメディアを利用した大量の広告宣伝=兵器
商社・卸売業・代理店などを利用した大量販売と物流網=遠隔戦
が基本となります。


では、ランチェスター戦略の落とし穴とは?

「ランチェスター戦略」は大企業が画一的商品を大量に生産し
大量に消費された時代には、見事に適合していると思います。


現在は、消費者のライフスタイルや価値観が多様化し、画一的な商品では
消費者のニーズあるいはウォンツを満たしきれなくなってきました。


大企業と言えども、市場や顧客層をより細分化する必要が出てきたのです。

つまり、遠隔戦でビジネスしていた大企業が
接近戦まで降りてこようとしているのではないか
と、朴念仁は感じています。


また差別化戦略は、中小企業の専売特許ではありません。

第一法則により細分化された市場・顧客層の、ある唯一の分野に向けて
経営資源を選択・集中することが中小企業の差別化戦略です。


しかし大企業も差別化戦略により選択・集中を進めています。
全市場・全顧客を今まで以上に細分化し、
細分化されたそれぞれの分野に、差別化戦略を適応しようとしています。



中小企業の一点突破の分野に、
大企業が食い込もうとしている
のが現在の状況ではないでしょうか。

人気のある××ラーメン店と同じ味のラーメン
□□パティシェの監修したショートケーキなどのメーカー品が
店頭に並ぶ時代です。

「ランチェスター戦略」で中小企業が最も差別化しなけばならない
商品開発力=武器性能も、今は大企業に先を越されている感すらあります。

専門店の味が専門店の味でなくなりつつあります。


このような時代に、
中小企業がランチェスター戦略にもう一つ加えなければならないものが
共感であると思うのです。



テレビなどで大量に集中的に発せられる広告宣伝では
消費者の共感を呼ぶことができません。

共感は、ターゲットを絞り込んだ
「あなたのための情報」を提供することから生まれます。


・消費者の認知や理解を深める
・消費者の感覚や感性に訴える
・消費者の不安を取り除き信頼を得る

そして消費者の心を開いてもらう。
これがこれからの局地戦での必勝法であ、強力な武器になると思うのです。


なお、文中に市場・顧客層の細分化とありますが
マーケティングではこれをセグメンテーションと言います。
セグメンテーションについては改めてお伝えしたいと思います。

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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。


posted by 朴念仁 at 11:27| Comment(0) | 差別化経営戦略(儲けの理由) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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