帝国データバンクによると、
企業倒産が、2年連続で前年を下回ったと言うことです。
1)政府の被災地向け支援策
2)東北地方の復興需要の効果
により倒産件数が減少したと分析しています。
ただし、円高の影響を受けた倒産は、46.6%増の85件で
集計を始めた08年以降、過去最高となっています。
さて、倒産件数減少の理由は、もう一つあるのではないでしょうか?
「中小企業金融円滑化法」
これこそが、倒産減少の最大の原因ではないかと推測します。
企業が倒産するのは、お金が回らなくなるからですね。
つまり、「中小企業金融円滑化法」により中小企業のお金が回るようになったのです。
ただし、お金が回るようになったと言うのは、正確な表現ではないかも知れません。
融資条件の変更により毎月の返済額が大幅に減少し、あるいは、追加融資により、
「手元資金に余裕が生じた」と言うのが現実的な評価でしょう。
現在までに225万件を超える企業が、融資条件の変更を受けている訳ですが
この中には、資金繰りに行き詰まり、
倒産寸前であった企業が、相当数含まれていると思われます。
「中小企業金融円滑化法」により、本来倒産していたかもしれない企業が
まさに命拾いして生き延びたことにより、倒産件数が減少している。
こう考えることも、できるのではないのでしょうか。
折角の政府の手厚い中小企業保護政策で延命した企業は、
経営改善・経営革新に取り組む絶好の機会を得たのです。
この機会を逸すると、以前にもまして資金繰りが苦しくなり
もっとお金が回らなくなる状況に陥ってしまいます。
延命措置のモルヒネ効果が薄れたころ、
その反動で倒産が急増しなければ良いのですが。
そうならないためにも、
今こそ戦略の大転換と、経営構造の抜本的立て直しが急務でしょう。
そのためには、いち早く管理会計を導入して
1)自社の状態を冷静に分析・把握し
2)目指すべき損益構造と財務状態を設定し
それらを達成するための経営戦略の見直し・立案を急ぐべきです。
そして、日々「仮説と検証」を繰り返し、
経営改善・革新に取り組んで欲しいと思います。
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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。
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