先ずは、予算作成の三つの目的についてお話したいと思います。
その前に
経営戦略について、簡単に触れておきたいと思います。
経営戦略とは
@企業が将来に向かってあるべき姿は何かを明確にする
A経営の考え方を明確にする
B他社に対する自社の優位を確立する
ことなのです。
つまり
「儲けるための目的・理由を明確にする」
ことが、経営戦略立案の意味と言えるでしょう。
もし、経営戦略がなければ
「儲けるための目的も理由も分からないので、儲けることができない」
と言うことになってしまいますね。
しかし、経営戦略で儲けるための目的・理由を明確にしたくても
いくら儲けて良いのか分からなければ、戦略も立案する術がないというものです。
そこで大切になってくるのが予算作成なのです。
予算作成で、あなたの会社の儲けを明確にしなければなりません。
ところが、儲けは決算書に記されている利益ではありません。
そうすると、どれほど決算書を眺めていても、
いくら儲けて良いのか一向に分かりません。
拙ブログで何度もお伝えしていますが
儲けとは、すなわち必要利益のことです。
【必要利益>借入金返済額+納税額−減価償却費】となるような予算を作成し、
儲け=必要利益を獲得するための経営戦略を立案する。
これが、予算作成の第一の目的です。
次に、製造業や現場工事業など原価計算が必要な場合
加工単価と販売管理費割当額を算出する必要があります。
これらは、前期や過去の決算書がベースになるのではなく
儲け=必要利益を満たす予算がベースになります。
もし、儲かっていない過去の決算をベースに、
・加工単価や販売管理費割当額を算出し
・原価計算をして
・販売価格を決定しても
儲かるはずがありません。
予算作成の第二の目的は
それぞれの製品や工事から、確実な儲けを得ることです。
儲かる予算が作成され、経営戦略で儲けるための目的・理由が明確になれば
儲けるために、予算を達成させる必要があります。
予算は戦略が数値化されたものであるので
予算の進捗状況をチェックして、戦略が実現できているかどうか確認します。
もし、予算が未達成であれば
儲けを獲得するために、経営戦略の点検を行います。
予算作成の第三の目的は
予実対比で進捗状況を追いかけ、必ず儲け=必要利益を獲得するためです。
以上の三つが予算作成の目的ですが、
これを可能にするためには、合理的な予算作成が必要になります。
特に、必要利益を知ることは、企業経営の第一歩でもあります。
なお、必要利益を算出できる予算と合理的な原価計算、経営戦略立案方法は、
【ここをクリック】していただけばご説明しています。
今回は、予算作成の目的についてでしたが、
次回は予算作成方法や手順についてお話したいと思います。
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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。
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