必要売上高は、次のような簡単な計算式で
必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−変動比率)
必要売上高=(計画利益+固定費)÷限界利益率
で求めることができます。
詳細は過去の拙ブログ、損益分岐点売上高を算出(必要売上高の求め方)をご覧になってください。
今回は、補足説明となります。
損益分岐点売上高は、利益が0円の時の売上高ですが
必要売上高は、計画利益(目標利益)を獲得するために必要な売上高です。
問題は、計画利益(目標利益)が適正利益であるかどうかです。
計画利益(目標利益)が、適正利益であるとは、
会社の維持・存続のための必要利益となっているのか?
↓
会社の維持・存続とは、
資金繰りが悪化しないための必要利益となっているのか?
↓
資金繰りが悪化しないとは、
【必要利益>借入金返済額+納税額−減価償却費】となっているのか?
計画利益(目標利益)が必要利益を満たしていなければ
資金繰りが悪化し、内部留保が減少し、自己資本が減少してしまいます。
計画利益(目標利益)が必要利益を満たしていれば
運転資金を調達することなく、安定経営が可能になります。
つまり、必要売上高は
必要売上高=(計画利益+固定費)÷限界利益率
必要売上高=(必要利益以上+固定費)÷限界利益率
となります。
※限界利益率=(1−変動比率);変動比率=変動費÷売上高※
このように、
必要売上高を求めるためには、必要利益を算出しなければなりませんが、
同時に、固定費・変動費が増減すれば、必要売上高もまた増減します。
つまり、必要売上高は
1)借入金返済額
2)納税額
3)減価償却費
4)固定費の増減
5)変動費の増減
6)売上高を決める販売数量と販売価格の増減
7)5)と6)による限界利益率の増減
以上の要素をどのようにコントロールするのかで、大きく変わってくるのです。
1)から7)の要素を一元的に管理・操作する予算作成ができないと
必要売上高を算出することができません。
(予算作成ツール【ここをクリック】を利用すれば簡単に実行可能です)
必要利益を求め、それを獲得するための必要売上高を決定する。
このことはとても重要なことであり、経営の核となるものです。
自社の必要利益と必要売上高を算出ずに経営していると
次第に資金繰りが悪化し、最悪、債務超過に陥ってしまうかもしれません。
「必要利益と必要売上高を達成しない限り、自社の存続はあり得ない」
「できないのではなく、絶対に達成しなければならない」
と、強く申し上げておきます。
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で社長さんの会社の儲けの理由を明らかにしましょう。
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